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中小企業の人材開発_第3章 「中小企業における人材開発施策」 後半


企業規模と人材開発制度の利用率の関連

結論として、本調査では、企業規模と人材開発制度の利用率は関係がないそうです、ただし異動の自己申告制度は、企業規模が大きいほど利用率が優位に高い結果でした。やはり人数が多いほど、多くの部署や役割があるので、異動しやすいのでしょうか。

制度の公式化のみならず、実際の利用度も、企業規模に影響を受けにくいことは、本調査からの新たな知見です。

前半にもありますが、今や単純に社員数だけで、違いが出るような時代ではないのかもしれません。

うがった見方をすると、マーケティングのキャズム理論みたいに、研修が好きな人もいるし、そうでない人もいる。いち早く飛びつく人もいるし、食わず嫌いの人もいる。どこの会社で働こうと、人間の性?みたいなもん
で、あんまりそこは変わらない。だって人間なんだもん。


みたいに理解してしまいましたが、きっと間違えてるようにおもいます。


次に、人材開発施策の公式化・整備が企業の成果を高めるという既存研究の結果が、本調査対象の中小企業にも当てはまるのかを見ています。


人材開発施策の公式化・整備の有無により、企業パフォーマンス(2013->2014の売上成長率の差)をt検定で分析したところ、いろんな制度をみてますが、あまり関係していないようです。

人材開発関係者には、一見残念な結果のようにも見えます


しかし、これを人材開発施策が無意味だと解釈するのではなく、人材開発施策だけで成果を測定する限界があることを示しているろ理解すべきなんだそうです

つまり、そんな簡単な関係じゃないよって事なんだと思います。


他にも、職場環境、従業員の経験、社会的関係も含め、現場でおこってるいろいろなことに目を向け、感じ取った上で、人材開発施策の成果を検討する必要があるとしています

人材開発施策の公式化・整備と従業員の成長の関連

残念ながら、人材開発施策と企業の成果は直接的な関連はあまりなかったですが、個人の成長についてはどうでしょうか?

確かに、人の成長を評価するのは非常に難しい。何で測定するかといえば、経営者の主観というのも研究としてありなんだというのが、私にとって新鮮でした。

一般的に簡単に質問できるのは、研修受講者個人の主観ですよね。研修をうけてどうですか?みたいなの。経営者の主観は、大企業ではまず取れないので、面白い切り口と思いました。

管理職、一般従業員ともに、人材開発施策の公式化・整備と社員の成長の関連は限定的で、関連は弱いそうです。


3章のまとめ

  • 会社の規模によって人材開発施策の整備や利用に大差なし

  • 人材開発施策の整備と企業パフォーマンス、従業員の成長との関連は弱い or 限定的

  • 人材開発施策を捉える際、公式の人材開発施策のみに目を向けることは限界がある

  • 中小企業の従業員の成長を促す要因を捉えるためにミクロな視点が必要

    • 実際の現場でどのように活かされ能力向上につながるのか

    • 職場の日々行われるどのような非公式の人材開発施策が能力向上につながるのか

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