良い企業とは?
素直な疑問
私は25年にわたり、さまざまな業界や企業に対して経営コンサルティングを行ってきました。
その中で、お客様より、
『どんな企業が良い企業なの?』『順調な企業の特徴は何?』『どうやったら会社経営が上手くいくの?』
といった根本的で、ある意味、素直な問いをいだだきます。
そこで良い企業とは何か?ということを思考してみたいと思います。
中小企業診断士の試験勉強の1科目に企業経営理論という科目があります。その言葉通り、企業経営全体を学ぶ教科です。そこに企業が実施すべき、さまざまな分析手法を学ぶのですが、その一つにPEST分析という手法があります。
PEST分析
PEST分析は、企業が外部環境を理解し、ビジネス戦略を立てる際に使うフレームワークの一つです。PESTは4つの要因を指し、それぞれの要因が企業にどのような影響を与えるかを分析します。具体的には以下の通りです。
1. Political(政治的要因)
政府の政策、規制、税制、労働法、貿易政策など、ビジネス環境に影響を与える政治的要因です。これには、政治の安定性、政府の介入度、規制の変更、選挙結果、国際的な関係なども含まれます。
2. Economic(経済的要因)
経済の状況が企業に与える影響を分析します。経済成長率、金利、為替レート、インフレ率、失業率、消費者の購買力などが重要な要素です。これらは企業の売上やコストに直接影響を与えるため、しっかりと理解する必要があります。
3. Social(社会的要因)
消費者の価値観、ライフスタイル、人口動態、文化、教育水準など、社会的なトレンドを分析します。これにより、企業は消費者のニーズや行動の変化に対応した製品やサービスを提供できるようになります。
4. Technological(技術的要因)
技術革新や新しいテクノロジーの導入が企業にどのように影響を与えるかを分析します。これには、インターネットの普及、デジタル技術の進化、新しい製造技術、技術革新による業界の変化などが含まれます。技術の進化は新しいビジネスチャンスを生む一方で、既存の技術やサービスを陳腐化させる可能性もあります。
いわゆる外部環境分析とも言われますが、この外部環境という視点でいい会社とは?の問いを考えてみたいと思います。
日本の現在
今、日本は人口減少社会に突入しております。これだけは紛れもない事実です。一般的に人口減少は、2の経済的要因としてはネガティブに捉えられることが多いです。
とはいえ現実から目を背けても未来は見えないので、ポジティブに3の社会的要因(ライフスタイルの変化)を考えましょう。
1960年代から日本は、人口が増加し公害問題や食糧問題などが引きこされました。そこで日本はそれを克服することで近代化を推進できてきました。一方で、人口が減少しても経済問題や財政問題と向き合わなくてはならなくなりますが、それもまた対応策を考えれば良いということでもあります。
人口減少社会では、人口増加を前提とした過去の常識が非常識になっていきます。そして、求められるのは、新時代に対応した考え方です。
そもそもこの30年の日本経済はバブルの後始末の経済でした。バブルのピークの日本は、どんどん借り入れして不動産や株を書い、どんどん値上げしまさにインフレ状態でした。そしてバブルを抑制するために当時の日銀三重野総裁が徹底的な引き締めを行い、一気にデフレの波が押し寄せたのです。そこでゲームチェンジが起きたのです。
これからの日本
では、今後どうなるのでしょう?
1990年のときと真逆のゲームが始まったような気がします。コスパ中心主義やデフレ経済は30年続いてきたのでこれからも永遠に続くと多くの人は思っているかもしれませんが、その限界、ひずみが出てきております。円安の影響も相まって、日本経済が岐路の立っているのではないでしょうか?
そうなるとあと10年も立つとデフレ的な行動をしてきた経営者や消費者は大変なことになるかもしれません。どちらかというとデフレ経済が復活するよりはインフレ経済の兆しが少しずつ増えているような気がします。
ここで、適正な値上げ、高付加価値を提供し、優秀な社員を高賃金で雇えるような企業でなければ一気に淘汰される恐れもあります。。。
もちろん人件費が上がれば企業負担は増え、利益が損なわれる可能性もあります。だからこそ、技術的要因(DX)を考えて、生産性をどう上げるかが重要なのです。
これからの良い会社とは、新しい時代に向けて、インフレ対応(値上げ・賃上げ)をしていける未来の企業を考えることができるのではないでしょうか?。
まあ、、、【言うは易く行うは難し】ですが。。。