コロナの危険度を下げるべきではない

10日、WHOが新型コロナウイルス感染症の治療指針を変更し、これまで「高」とされていた入院危険度に関する基準を見直しました。新たに「中」の危険度が導入され、これまで「高」とされていた対象者である65歳以上の高齢者や糖尿病、がん、腎臓や肝臓の疾患を抱えた人々が、今後は「中」に分類されることとなりました。一方で、「高」の危険度は免疫不全の人に限定されることとされています。

この指針の変更に対して、油断が過ぎていないかについて懸念が生じます。確かに、インフルエンザなど他の感染症と比較してコロナウイルスに関しては未だ研究の途上にあり、その全貌や後遺症に関する情報が不十分な状況が続いています。これにより、感染リスクや治療方針の見直しが難しい状況が生まれています。

未知の部分が多い感染症において、危険度を下げることが問題ではないかという疑問が生じます。研究が進行中であり、まだ完全な解明がなされていない状況で、特定の対象者の危険度を低く設定することが、感染拡大や治療の誤差を引き起こす可能性があると言えます。したがって、慎重な立場を取り、研究が完了し、充分な情報が揃うまで危険度を「高」のまま維持することが望ましいと考えられます。

感染症の特性や重症化の要因に関する十分な理解が得られるまで、安全性を確保するためにも、変更された危険度基準に対する科学的な検証や透明性が求められるでしょう。これにより、公衆衛生の観点からも十分な議論と合意が形成され、一般の人々が安心して対策を進めることができる状況が築かれるべきです。

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