見出し画像

2019年度の研究内容

こんにちは.杉浦です.本記事は,現在杉浦研でどのような研究テーマに取り組んでいるか,その内容をまとめたものとなっています.
当研究室への配属に少しでも興味がある方は,合わせて研究室の運営方針学生生活についての記事をご覧ください.

概要

杉浦研究室は2018年4月に発足し,現在後期博士課程:2名,修士課程2年:3名,修士課程1年:4名,学部4年:4名で,スタッフ(専任講師:1名,特任助教:1名,研究補佐:2名)を含めると,合計17名で構成されています.

画像1

研究室の名称はライフスタイルコンピューティングラボ(Lifestyle Computing Lab)です.
近年の計算機の小型化や通信ネットワークシステムの整備が進む中で,環境や日用品にコンピュータが埋め込まれ,人々の活動を支援する時代が到来しています.ユビキタスコンピューティングは,人間の行動や意図を読み取り,それを計算機が解釈し,その時その場にあったサービスを提供するものであり,ユビキタスコンピューティングの浸透の恩恵は個人に合ったライフスタイル(パーソナライズドライフスタイル)をダイナミックに提供できることだと考えています.
研究室ではパーソナライズドライフスタイルの実現に向けて,ヒューマン・コンピュータ・インタラクション,ウェアラブル技術,ロボティクス,バーチャルリアリティ,デジタルヒューマンなどの研究開発や社会実装に取り組みます.成果によって安全安心で健康的に楽しく快適に暮らせるライフスタイルを提供することを目標としています.

研究内容

現在研究室に在籍しているメンバーが取り組んでいる研究を紹介したいと思います.研究室で進行しているテーマの多くは,外部の研究者と連携して実施しているものです.

研究室では下記の3つのサブテーマに取り組んでいます.

Future User Interface
生活に溶け込む未来のユーザインタフェースを提案しています.特に居住空間に存在する柔らかい日用品に着目し,本来の機能を損なわずに,インタラクティブな機能性を付与する研究に取り組んでいます.
修士1年の加藤さんは,人間とぬいぐるみとのインタラクションを外付け 型の加速度センサモジュールで認識し,ごっこ遊びを拡張する研究をしています(図左上).本研究は日本感性工学会かわいい感性デザイン賞で,優秀賞を受賞しました.
修士2年の稲葉さんは,靴のソール部分の変形を反射型光センサで計測し,人間の体重にも壊れにくいセンサシューズを開発しています(図1左下).このような光センサなどを含めた実世界センサを生活空間に組み込むときに,その配置検討とデータ収集は実世界で行う必要があり,検討のために何度も作り変えることはコストがかかりますが,修士1年の齋藤さんは,この実世界センサの配置とデータ収集をソフトウェア上で実現する研究に取り組んでいます(図右).齋藤さんは,学科の卒業論文でユニークな内容が対象となる中西奨励賞を受賞しています.

画像2

バーチャルリアリティによる協調作業支援
非対称性ユーザインタフェースによる協調作業支援プラットフォーム「Dollhouse VR」を開発しています.居住空間のインテリアのレイアウトを上空視点から見て設計するユーザとVRで没入するユーザが対話しながら,好みにデザインすることを目指したものです.全国に店舗を展開しているがんこフードサービス株式会社と連携し,本システムを活用して既存店舗のレイアウト検討してきました.
修士2年の篠崎さんは,異なる視点で環境を見ているユーザ同士がお互いの視線情報を共有することでより円滑なコミュニケーションを目指す機能を開発しています.

画像3

コンピュテーショナルモチベーション
計算機の力で人間のモチベーションの制御を目指した研究テーマで,最近取り組み始めたものであり,今研究室でも力を入れているものです.特に現在は健康・医療分野をターゲットとした複数のテーマがあります.
博士1年の渡辺君は,東京医科歯科大学藤田浩二医学部内講師と協力し,手根管症候群という手指の疾患に着目し,その疾患をタブレットアプリでスクリーニングする研究をしています.
修士2年の鳥海さんは,その手根管症候群患者をスマートフォンアプリでスクリーニングとセルフリハビリ支援に取り組んでいます(図左上).またこれを応用して橈骨遠位端骨折患者へのリハビリを支援するアプリも開発しています(図左下).日々現場で活躍している人々から得た「一次情報」を重要と考え,研究室では,課題を解決できるテーマに積極的に取り組んでいます.
修士1年の松本さんは,嚥下能力の維持や向上を目指し,喉上げトレーニングを補助するウェアラブルデバイスとゲームを開発しています(図右上).特任助教の遠峰結衣さんは,栄養が偏りがちな一人暮らしの学生に対して,グループ間での競争を通して多様な食品の摂取を誘発するLINE BOT「食へぽん」を開発し,実証実験をしています(図右下).修士1年の住友君は,もともと本人が趣味で開発してきた音ゲーに,VRを組み合わせることで,高齢者もプレイできる健康増進への寄与を目指したシステムを開発しています.

画像4

おわりに

今回の記事では詳しく紹介できなかった学部4年生も現在研究に着手しており,成果公開を目指しています.研究室の個別の研究テーマに興味のある方はこちらのページをご確認ください.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?