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【学会参加報告】Identification and Authentication Using Blink with Smart Glasses (SICE2022)

はじめに

こんにちは、LIFESTYLE COMPUTING LABの修士課程1年の川﨑陽平です。今回私は 9/6~9/9に開催された”The SICE Annual Conference 2022” にて ” Identification and Authentication Using Blink with Smart Glasses” という題目で口頭発表をしてきたのでその報告をします。

研究の概要

近年多様な用途のスマートグラスが普及しており、拡張現実や健康維持を目的としたものが開発されています。スマートグラスは今後普及していき、単体で携帯し利用する状況を想定すると、プライバシーの観点からユーザを識別・認証する機能が必要となります。

そこで本研究では、スマートグラスにおいて個人識別・認証をするシステムを開発しました。眼鏡のフレームの上部にフォトリフレクタを装着して瞬き時の皮膚変形をセンシングし、その個人差を利用しました。

実験協力者には、フォトリフレクタを装着した眼鏡をかけた状態で5回続けて瞬きをしてもらいました。瞬きには以下の2パターンを用意し、それぞれ20回ずつ行ってもらい、7人分のデータを集計しました。

  • パターン1:自身のタイミングで5回続けて瞬きをする。

  • パターン2:120BPMのテンポに合わせて5回続けて瞬きをする。

こうして得られたセンサ値同士に対して時系列データ同士の類似度を計算する手法である動的時間伸縮法 (DTW) を施し 、個人識別・認証を実装しました。

個人識別では入力のセンサ値に対して、7人の協力者の内誰のものであるかを推定して評価をします。一方で、個人認証では入力のセンサ値が本人のデータであるのか否かを推定して評価をします。評価をした結果、個人識別の識別精度はパターン1では88.6%、パターン2では97.1%でした。個人認証の等価エラー率はパターン1では8.6%、パターン2では6.4%でした。

今後は、眼鏡の付け外しによる装着位置の変化への対応や、実験協力者の範囲の拡大によりこのシステムの堅牢性の向上を目指していきます。


当日のフィードバック

フォトリフレクタ以外にも加速度センサを用いて瞬きをセンシングすることについて議論をしました。また、このシステムの具体的なユースケースについてもコメントをいただきました。

感想

初めての対面形式での学会で、しかも英語での発表だったのでとても緊張しました。
制御系や信号処理等の私の研究分野とは離れた分野の発表を聴くことができたので、知見を広げる良い機会となりました。

熊本は路面電車が走っていたり、街中にくまモンが溢れていたりと歩いていて楽しい街でした。この機会に訪れることができて良かったです!

発表文献情報

Yohei Kawasaki and Yuta Sugiura, "Identification and Authentication Using Blink with Smart Glasses”, 2022 61th Annual Conference of the Society of Instrument and Control Engineers of Japan (SICE), 2022, pp. 1251-1256.

発表動画

発表スライド


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