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【ISMAR2022に参加】Demonstration of Multi-image Switchable Visual Displays Using Carpets

はじめに

こんにちは、杉浦裕太研究室修士1年の山本匠です。10月17日から10月21日にシンガポールで行われた The 21st IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality(ISMAR2022) にデモ発表をしてきましたので、その様子について報告します。

研究の概要

杉浦裕太研究室では、以前から既存のカーペットをディスプレイ化する研究に取り組んでいます。カーペットを指でなぞると毛が立つことで跡がつく現象を利用して、コンピュータのディスプレイとして活用する研究です。私は学部4年生の1年間、この研究に取り組んでいました。4年生の前半の研究(仮卒論)では先行研究以上に解像度が高い画像を描画する研究に取り組んでいました。

今回発表したのは4年生の後半に卒業論文として取り組んだものです。以前の研究では毛の方向の種類は2方向に制御していましたが、本研究では3方向に毛の方向を制御し、視点に応じて異なる画像を描画したり、光源位置を変化させることで異なる画像を提示することができます。


デモ準備

デモ発表は学会上で観客の前で発表するものであるため、シンガポールまでデバイスを運搬する必要がありました。これが非常に大変で、カーペット上に画像を描画するためのハードウェアデバイスやカーペット本体に加え、光源を切り替えた際の結果を見せる際に必要な携帯型の暗室をスーツケースの中に入れて運搬しました。ハードウェアデバイスに関してはサイズが大きすぎてスーツケースに入らず、解体した状態で運搬し現地のホテルで組み立てました。さらに現地に到着してハードウェアを組み立てても最初はうまく動かず、悪戦苦闘しながら調整しました。共に学会に行った上田君がサポートしてくれたおかげで何とか動くようになり、とても感謝しています。

当日のフィードバック

ユースケースに関する質問を数多くいただきました。エントランスに設置して部屋への入場者にWelcomeメッセージのようなものを出し、部屋から去る人にGoodByeのようなものを提示することを想定していたのですが、ARマーカなどとしても使えるのではないかという意見を頂きました。

この研究はユースケースを想定するところではなく技術的な側面から始まった研究であり、ユースケースには非常に頭を悩ませていましたが、他の研究者から貴重な意見を頂くことができました。

感想

デモの時間は3日目の午後から4日目と、約1日半の長丁場でした。多くの準備が必要で実施時間も非常に長いのですが、オーディエンスが自分のデモを見て驚いてくれたり笑顔になる瞬間を見たり、著名な研究者や優秀な学生と1対1で長い時間ディスカッションできたりと、コストがかかるからこそ得られるものも多いと感じました。コロナ禍であったこともありデモ発表は初めてでしたが、また学会でデモをしたくなりました。非常に楽しかったです!

また私にとって初めて参加した国際会議であり、他の国内外の学生や先生と交流する貴重な機会にもなりました。特にデモ発表だからこそ多くの学生や先生と交流することができたのかなと思います。知り合った人と研究の話をすることが非常に刺激になり、次の研究へのモチベーションが高まりました!


発表文献情報

Takumi Yamamoto, Yuta Sugiura, Demonstration of Multi-image Switchable Visual Displays Using Carpets, 2022 IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality Adjunct (ISMAR-Adjunct), 2022, pp. xxx-xxx, doi: xxx.

発表ポスター


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