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【SIGDeMO2022に参加】鎖骨の音響特性を利用した個人識別・認証システム

はじめに

こんにちは、LIFTSTYLE COMPUTING LAB修士課程1年の川﨑です!今回私は10月6、7日に北海道は阿寒湖で開催されたSIG-DeMOにて「鎖骨の音響特性を利用した個人識別・認証システム」という題目で発表をしてきました。

研究の概要

近年のIoTの促進により、身の回りのあらゆるものがインターネットに接続する未来がそう遠くはありません。あらゆるものがインターネットに接続することを考慮すると、身の回りの日用品にも個人識別・認証機能が搭載されることで安全で便利な社会が実現すると考えています。

そこで本研究ではバックパックにおける個人識別・認証システムを開発しました。バックパックの肩紐部分が鎖骨に触れていることに注目し、鎖骨の音響特性を特徴として個人識別・認証システムを開発しました。鎖骨の形状には個人差があるので音響特性にも差があると考え、鎖骨の音響特性を測定し特徴量としました。

実験協力者には重りが入ったバックパックを背負ってもらい、肩紐と鎖骨の間にそれぞれ振動子とピエゾマイクを挟んでもらいました。
振動子からある特定の周波数の振動を発生させ鎖骨に伝播させることで、反対側に設置してあるピエゾマイクでその振動をセンシングすることができます。(アクティブ音響センシング) こうして得られたセンサ値に対して高速フーリエ変換やメルフィルタバンクによる処理を施すことで特徴量のスペクトルを得ました。

一人の協力者に対して二日分のデータを測定し、一日分の実験では20回分のデータを測定しました。

実験には9人の協力者の方に参加して頂きました。個人識別の際の識別器には勾配ブースティング木を用い、個人認証の際の距離計算 (スコア計算)にはマハラノビス距離を用いました。10分割交差検証でモデルの汎化性能を検証すると、個人識別の精度は97.22%、個人認証の等価エラー率は1.25%でした。

当日のフィードバック

実際に商品化に向けて開発をする際には、何回分のデータを測定する必要があるのかという質問を頂きました。今後はバックパックの着脱によるセンサ位置の変化を考慮した実験の実施を検討しています。

感想

4回目の学会参加ではありましたが、やはり対面発表は緊張しました。
北海道はとてものどかでご飯も美味しく、ずっと居たくなるような場所でした。

発表文献情報

川崎陽平,杉浦裕太.鎖骨の音響特性を利用した個人識別・認証システム.第193回ヒューマンインタフェース学会研究会「人工現実感,エンタテインメント,メディアエクスペリエンスおよび一般(SIG-DeMO-14)」.阿寒湖

発表スライド


発表動画


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