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EC2021学会参加レポ

杉浦研究室学部4年の怡土(いと)です。

2021年8月30日から3日間行われたエンタテインメントコンピューティング2021についてご報告させていただきます。杉浦研究室からは学部4年の山本君、高柳君、川﨑君、そして修士1年からは張さんが発表を行いました。

研究内容

【山本君の発表】
カーペットを情報ディスプレイとして活用するデバイスを提案しました。既存のカーペットの毛を逆立てると濃淡が異なる跡ができる現象を利用して描画を行い、先行研究以上に写実的な画の描画を実現しています。

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山本匠,杉浦裕太,布に写実性のある画像を描画するデバイスの提案,Entertainment Computing 2021.http://id.nii.ac.jp/1001/00212451/

【高柳君の発表】
ソフトロボットの触り心地の制御に向けた基礎検討として、透明伸縮性電極と伸縮性絶縁層薄膜からなる伸縮性のある静電触覚サーフェスを開発しました。本論文では、サーフェスの構成や伸縮状態、手との接触面積の条件を変えたときの知覚可能下限電圧を調査しました。慶大理工松久先生筑波大橋本先生との共同研究です。

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高柳直歩,松久直司,橋本悠希,杉浦裕太,伸縮性のある静電触覚サーフェスの提案,Entertainment Computing 2021.http://id.nii.ac.jp/1001/00212486/

【川﨑君の発表】
Wiiバランスボードを用いて足圧中心の位置を測定し、Phantom Sensationを用いて腹部に触覚提示を行い、足圧中心の位置を誘導するシステムの提案をしました。30秒以内に誘導可能であったものは全体の80.75%でした。今後は異なる触覚パターンの提案や、聴覚提示による誘導との比較を検討しています。

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川﨑陽平,杉浦裕太,腹部触覚提示を用いた足圧中心位置の誘導システム,Entertainment Computing 2021.http://id.nii.ac.jp/1001/00212493/

【張さんの発表】
ユーザのスマートフォンの把持姿勢を自動で推定する手法を提案しました。スマートフォンのインカメラで顔写真を撮影し、角膜に反射したスマートフォン画面の光の像を利用して推定を行いました。ヤフー株式会社、東京工科大との共同研究成果です。

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張翔,池松香,加藤邦拓,杉浦裕太 , 角膜反射を利用したスマートフォンの把持姿勢推定 , Entertainment Computing 2021. http://id.nii.ac.jp/1001/00212442/

交流会

2日目のお昼に行われた交流会では、参加者の学生や教授と自由にお話する機会がありました。今回のEC2021はオンラインでの開催でしたので、参加者はそれぞれ3~5名程度に別れブレイクアウトルームに参加し、そこで自由にディスカッションをするというシステムでした。また、お題は杉浦研究室の宗形さんが開発した話題決定システムを用いてランダムにひとつ選ばれ、テーマに沿った話し合いが行われました。お題は「エンターテインメントコンピューティングの未来」などまじめなものから、「今日のお昼ご飯」などのカジュアルなものまでさまざまでした。僕の場合はほとんどの方が初対面でしたので、ランダムなテーマでコミュニケーションをするというのは刺激的な体験でした。

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ChatEnhancer

今回オンラインで開催されたEC2021では、ユーザの発言数やスタンプ数などを自動で集計して可視化するシステム「ChatEnhancer」が導入されました。ChatEnhancerは当研究室を2021年3月に卒業された松本さんによって開発されたシステムです。ChatEnhancerではたくさんスタンプをもらった人やたくさん投稿した人がランキング形式で可視化され、結果は10分毎に更新されます。最終日の表彰式では、投票の結果が集計され、チャットを盛り上げた方々にベストチャット賞が贈られました。

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最後に

自分は研究室に配属された初めての学会でしたので、学会やほかの研究者の雰囲気を知ることができて非常に良い経験になりました。
今回オンラインでの開催ということで、実際に会場に足を運ぶという楽しさがないのは少し残念でしたが、それでも同じジャンルの研究を行っている他大学の学生の研究を聞いたり、交流したりする機会があるのは非常に刺激になりました。これからも研究頑張ります!!

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