20191105_ニシグチさんインタビュー__1_

40歳「上司ニシグチ」ロールモデル不在のフリーランスへ響く、働き方の選択

あなたには理想の上司がいるだろうか?
フリーランスには上司という存在はいない。
  
そんななかインターネット上での上司ポジションを確立し、TEAMKITの運営にアドバイザーとしてジョインした上司ニシグチさん。

画像1

「上司ニシグチ」プロフィール
クリエイティブディレクター / グラフィックデザイナー。
大阪生まれ、大阪育ち、大阪在住。百貨店のインハウスデザイナーとして10年間勤務したのち、ペット業界専門のアートディレクターを経て、現在はパラレルワーカーとして、複数の企業のクリエイティブに携わる。

企業のブランディングから販促のプロモーションまで、紙媒体を中心としたアウトプットが得意で、中でも名刺デザインにおける発注から納品までのプロセスを記事化した「ストーリージェニックな名刺の作り方」シリーズがnoteで好評。
 
SNSを中心としたブランディングをおこない、クリエイター向けのイベントやセミナーにも多数登壇。上司がいないクリエイターのためのオンラインコミュニティー「オンライン上司」を主宰。
 
Twitter:@jyoushi_n

いまの働き方に至るまでの自分と周りの変化、現在のクライアントとの関係性、発信することへの想いなどを、TEAMKIT代表・小谷が聞いてみた。

画像2



―ニシグチさんは今年で40歳ということですが、どうしてこのタイミングで大きく働き方を変えたのでしょうか? 

いまはTEAMKITのアドバイザーのほかに、洋菓子店、飲食店のクリエイティブと、3社をメインにしています。そのうちのひとつの会社で契約社員になっている状態です。
 
30歳のときにも転職をしていて、ちょうど10年単位で大きな決断をしているような形なんですよね。
 
今回の転職は、2年くらい前から考えていました。そのタイミングで、3年前から交流があったフリーランスとして働く仲間、10人以上から話を聞きました。

画像8

成功している人はみんな、仕事を分散しているのが特徴でした。分散することでリスクヘッジになる。話を聞くうちに、いくつかの収入源をもった働き方にシフトしたいなと思うようになりました。
 
ちょうど、はじめてTEAMKITのCOOの椿原さんにお会いしたときに、彼の働き方の話を聞いたんです。まずは、プロジェクトの一部から関り、できることが見つかれば自分の欲しい報酬額に合わせて仕事を提案していく。そんな柔軟な働き方もいいな、と影響を受けました。
 
会社の体質によって関わり方はこちらが変えています。必要であれば、どんどん踏み込みますよ。
 
TEAMKITとは、ジョインする前に結構がっつりお話させてもらいましたよね。
 
これはデザインをするときの考え方と一緒なんですけど、やはり雇う側の視点を常に意識するのは大事ですね。相手がなにを求めているのか、それをひたすら考えます。

画像9



―ご家族もいるなかで、方向転換をすることに不安はなかったのでしょうか? 

そうですね…もともと堅実な道を選ぶ性格なので…。
 
そもそも、最初は前職のときと同じようにひとつの会社にがっつりコミットする気持ちで転職活動をしていました。
 
2社くらい面談をしたのですが…うまく話がまとまらなくて。前職がアートディレクター(マネージャー)だったんですけど、企業から話を聞くと、役職としても、報酬としても、自分がいるとこよりもすこし下を求めていて…
 
そうしたら、面談をした企業から「業務委託で関わってもらえませんか?」と打診をもらいました。そこで、「パラレルワーカーとして、必要な部分に自分の経験や能力を提供する。そういうのが求められているんだな」と。
 
やはり、時代の流れも、“正社員として1社にコミット”から、パラレルな働き方に変ってきているなと肌で感じています。
そして、会社を辞めたタイミングで、複数社から誘いがあって、いまの形に落ち着きました。

画像3

子供が3人いるので、リスクをとるわけにはいかないので…でも、会社員をやっていては、仮に月に5万給料を上げる、というのは難しい…。
 
フリーランスと、会社員、それぞれに対しての不安のなかから、最適な働き方にたどり着いたかなと思います。保険関係を会社に任せているので堅実なんですよね。
 
たびたび「会社員VSフリーランス」と、それぞれの働き方が二項対立のように語られがちですが、対立させる必要はない。
 
どちらか、では語らず、絶対に外さない、と思えるものを選択していく。これは仕事にかかわらずなんですけどね。
家族がいると守るものが増えて、冷静にならざるを得ないですから。 

画像4



―「上司ニシグチ」というアカウントから、様々な活動が生まれていると思いますが、どのように広がっていったのでしょうか? 

クリエイターがSNSの中でマスクをかぶり、プロレスを通して異業種にアプローチしていく「クリエイタープロレス」の「上司タイガー」や、クリエイターが上司という存在をもてるコミュニティ「オンライン上司」を主宰など、色々やっています。
 
クリエイタープロレスも、オンライン上司も、プロレスをやろう!オンラインサロンをしよう!と思い立って立ち上げたわけではなく、いろんな人と交流するなかで自然と生まれました。

Twitterってプロレスとにている部分があるなと感じていて。そこに共感するクリエイターがどんどんマスクをかぶって、言葉のプロレスを繰り広げだした。目的はクリエイティブの考えをもっと広めるところにあります。
 
オンライン上司は、教えてもらえない・上司がいない、というクリエイターの声がTwitterをとおして届いていて。ニーズに答えて作った形です。

画像9



―Twitterを20-30代がアクティブに使いこなしているなかで、40歳のクリエイターであるニシグチさんは、どういう想いで発信を日々しているのでしょうか? 

「おっさん、やれるぞ!」というのは見せたいですね。
 
「おっさん、結構やるじゃん」と若いフォロワーに思ってもらえているように感じます。あと、同年代に対してでもですね。この年になって悶々と過ごしている人も多く…私が本格的に活用しているのもここ数年。まだできるぞ、ということが伝われば嬉しい。
 
同年代の人たちの話だと、「事業を加速させ、会社を大きく!」みたいなものが目立つな、と。そのなかで、そうじゃないロールモデルを提示していきたい。
 
最近、「もうすぐ40歳になりますが、リモートワークを始めるんです!」という報告をフォロワーからもらい、嬉しかったことをおぼえています。

画像5

最近はツールの発達も手伝って、年齢に左右されず、いいクリエイティブが誕生しやすくなっていると感じます。そんななかで、自分が勝てるのは経験の量。
 
あまり作品は前に出していないんですよ、実は。「おっさん、まだやれるぞ、これが経験だ」って、リングに上がるような気持ちでいます。
 
そこから、後輩が学びとってくれたら嬉しいなと思います。

 
―会社員を辞められると聞いたときは、正直、プレイヤーは辞めて、ひとつ上の段階にいくのかと思っていました。今後も、プレイヤーであることは変えないのでしょうか?

自分は、ずっと手を動かしてきた側なので…。
 
子供ができてからの変化なんですけど、より多くのプロダクトを世に残したいなと思うようになりました。子孫を残す、という感覚にも思えます。
 
数多くプロダクトを生み、人の記憶に残り、後世にも影響を与え続けたい。クリエイティブな仕事を、そしてよりクオリティを高く。それは今後もずっと変らないでしょう。

画像6



聞き手:小谷草志( @KotaniSoushi
執筆・編集:野里のどか( @robotenglish
カメラマン:北村渉( @wataru51

企画:プロジェクトメンバー募集サービス「TEAMKIT
 

 
 

 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?