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【映画】親子でなく、夫婦で見てほしいアリスとテレスのまぼろし工場

※一回見た個人の感想ですので感じ方、捉え方に間違いがあったら申し訳ございません。また、ネタバレもあります。
情報を入れずに見たい方はこの先を読まないことをお勧めします。

映画が好きな友達からぜひ見てほしいと推された
【アリスとテレスのまぼろし工場】
いつもならこれを見ろと言わないのに、説明の中で
「あの花好きだろ?」というのがありました。
泣ける系ってやつか〜?そういうの映画館で見ると周り気にしてなかなか泣けないからな〜。笑えるものじゃないと見ないよ〜と返した気がする。

まあ気になって見てしまった訳ですが・・・



映画のあらすじ

製鉄所の爆発事故によって全ての出口を閉ざされ、時まで止まってしまった町。いつか元に戻れるように「何も変えてはいけない」というルールができた。変化を禁じられた住民たちは、鬱屈とした日々を過ごしている。中学3年生の菊入正宗は、謎めいた同級生・佐上睦実に導かれて足を踏み入れた製鉄所の第五高炉で、野生の狼のような少女・五実と出会う。

映画.comより引用

盆地のでかい工場で起きた爆発事故によって街から出られなくなりました。
新しいものが入って来ず時が止まった、という風な表現ではなく本当に誰もが成長しなくなってどうなっているの?というストーリー。いつか時が進んだ時に変わっていると齟齬が出るかもってことで変わらない様に生きるというのもまた難儀な話なんです。

毎日同じ日が続くループ物というわけでもないし、かといってずっと同じ季節同じ日が続くこの街から出る脱出系でもない。町中の全員がこの事象と過ごしていく中で主人公正宗がいつもと違う存在、五実との出会いから「何かが変わっていく」それが恋愛に絡んでいく。その流れがいいなと思いました。

何でもない存在だったことが悲しい。

園部というキャラがいます。公式サイトで


自分に自信が持てなくて、心の中に熱くてドロドロした想いを抱えている。

公式サイトより

もうなんかありそう。

正宗に恋をするキャラなのですが、このキャラが告白し振られて、目の前で消えてしまいます。
この園部が不憫でならない。
告白する時は壁に相合傘を書いて下の名前を書いていたのですが主人公からは
「裕子って誰?」と言われます。

同じクラスの子やないかい!!下の名前くらい覚えとけよ!!

流れ的に園部だろうとすぐ分かりますが、正宗にとって興味がないことがとてもわかり心に来ます。

その後も、告白した時クラスメイトに茶化されます。
こんなの誰だってやってらんないよ!!!
何でこんなに不憫なんだよ園部ぇ!!
消えた後のシーンでも恋愛の理由は園部の言ってたのは違う!とか言われるし本当に不憫

さて、ここから消えることが現実的になり、徐々に街の人も消えていくのですが、
消える時にも不憫なことがあります。

仙波という同級生キャラがすっと流れで消えます。
消えそうだなぁ…ってフラグ立てるシーンがあるので消えること自体は想像の範疇ですが、
ハイライトで消されます。

仲良し4人組ポジだったのにそんなすぐ消すことないじゃない〜!せめて夢を叶えようとするみたいなエピソードあってもいいじゃないー!!
仙波に同情心というかが目覚めて応援してしまったところはあります。そんなとこ深掘りしてもどうしようもないのも分かるけども受け入れられないところですね…!!


生々しく激しいシーン

途中でキスシーンが入りますが、まぁこれが生々しい。
今までの想いが爆発しストーリーが進むいいシーンではあるものの、子供や親と見るには少し刺激が強いシーン。
お茶の間で見るのは少し憚られるかもしれません。そう、金曜ロードショーを見ている時に不意にくる海外のキスシーン、あれに何か近いものがある。く〜!見てられないよー!

それ程必死なところに良さがあるのですが、シーンもシーンなだけに感情がぐちゃぐちゃになるところです。見どころ何ですが…油断しすぎなのよ…!!とも思う大事なシーンです。
相手からどう思われてるかなんてわからないから仕方ないけどそんな野外でそんな…子供には見せられないよ!!

ネタバレ感想書き殴り

アリストテレスの「希望とは、目覚めている人間が見る夢である。」 という名言が少し出るくらいでアリスさんとテレスさんは出てきません。何でタイトルにいるのよ…?
まさか覚えていないところに答えがあったかもしれません。
語感がいいのはわかるけどよく分からない。
じゃあ何がいいのと言われるとそりゃ分からないんですけどもね…

そしてこの作品は出てくる人にとって基本的にはハッピーエンドで終わります。安心ですね。基本的には、ですけどね。
五実の時間は戻ってこないし、あの世界の人達は結局いつか壊れるであろう世界を生きるドラクエ6・ff10みたいな世界な訳です。でもそれを受け入れているしその中での幸せをみんなが見つけているので作中ではハッピーエンド、この後を考えるとよく分からない感じです。
破滅エンドじゃなくて本当に良かった…!!

それと心の動きはもうすごくいい!
恋をするということはどういうことなのか、恋を知らない五実でわかりやすく伝わっていると感じたしどういうものなのか考えさせられた気がする。電車のシーンでの叫びは一体どっちの意味で言ったのか…どっちもだろうし悲しい意味だけどそのシーンをそうやって見れることが満足度が高かった証拠なのかなとも思っています。

祭りのシーンで子供を教育というか叱るために出店の前に一瞬だけ置いてけぼりにするシーンがあります。その一瞬で神隠しに遭い、長い時間後悔するところがあります。
親の気持ちはわかる。でもそんなことで子供がいなくなった時の絶望は半端ではありません。現実に起こることはないと思いますが、もし子供ができたら教育のためとはいえ置いて行ってはいけない。それを深く学ぶことができる映画でした。

冒頭であの花好きならと紹介されたと言いましたが、あの花の脚本家であり、2018年に『さよならの朝に約束の花をかざろう』で監督デビューを果たした岡田麿里さんの新作だったからということに終わってから知りました。そういうことかぁ…
友曰く小説は答え合わせらしく、映画だけだと分かりにくい表現も全てわかるということでどちらを見ても楽しめるということでした。
もしここまで見て興味が出てきた方は是非映画も見てほしいのですが、公開が終わってそうなので小説で楽しんでいただきたいところです。

あぁ、どうやって感想をまとめればいいんだろうかと思って放置していたけどそのまま出すことにしました。
感想なんだから乱雑になってもいいんだ、心が動かされる満足度の高い映画だったと伝われば幸いです。


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