止まりかけの時間
太陽が落ち始めたことに、ふと気がついて、
ああ、部屋の電気をつけようか、と宙を見上げる頃。
宅配便のトラックと、はしゃぐ子どもと、カラスの気だるい声が、霞むように響く頃。
この時間が、僕は苦手だ。
無個性で平らな時間が僕を包んで、永遠へ連れ去ってしまうような。
止まっていく時間に取り残されて、ひとりぼっちになってしまうような。
そんな気がして、僕は逃げるように外に飛び出し、この時間をやり過ごした。
逃げるように遊び、逃げるように働いた。
今も昔も変わらない。
ねっとりとした孤独に襲われる、魔の時間。
こうやってレンズで切り取れば、なくなるだろうか。
こうやって言葉にしたら。
そうやって今日も、やり過ごす。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?