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日本史:平安時代 ② 「藤原氏の世」

通訳案内士の試験勉強のための、まとめノートです。

藤原氏が栄華を誇り絶頂期をむかえ、女流作家の活躍による和風な文化が発達した時代です。

平安中期

平安時代中期は、「藤原」氏一族が力を持ち「摂関」政治を行った時代です。藤原氏は、娘を天皇のきさきとし、その子を天皇とすることで、皇室との関係を深め、政治への影響力を強めていきました。

摂政」とは、天皇が幼少で自ら政務ができない場合に、天皇に代わって政治を行うことであり、天皇が成人でる場合には「関白」とります。

858年 「藤原良房」が九歳の幼帝清和天皇の「摂政」に、887年に「藤原基経」が宇多天皇の関白となったのが、藤原氏が摂政・関白になった最初となります。

894年 菅原道真が唐の国情不安から「遣唐使」を廃止しました(白紙に戻す遣唐使)

897年 藤原基経が亡くなった後、宇多天皇は攘夷して、「醍醐天皇」が即位しました。

899年 藤原基経の長男である「藤原時平」が左大臣、「菅原道真」が右大臣に任命されました。道真は、醍醐天皇に仕えると同時に、宇多上皇の側近として厚い信任を受け続けました。

901年 藤原時平の讒言により「菅原道真」が「太宰府」に流された、「昌泰の変」が発生しました。この事件は、時平と道真の政権争いだけでなく、宇多上皇と醍醐天皇の争いも関わっていたとされています。道真はその2年後903年に亡くなりました。

909年 藤原時平が39歳の若さで亡くなりました。道真の怨霊によるものとされ、これ以降も道真の怨霊による仕業とされる事件・事故が続くこととなります。

930年 朝議中に、黒雲が垂れ込めて雷雨が降り注ぎ、清涼殿の南西の第一柱に落雷が直撃、大納言をはじめ複数の死傷者がでました。この天変地異は、道真の怨霊の仕業とされ、「清涼殿落雷事件」と呼ばれています。この3ヶ月後に体調を崩した醍醐天皇は崩御しました。

923年 没後20年目、朝廷は道真の左遷を撤回して官位を復しました。また、947年には、菅原道真公御霊を鎮めるために、北野朝日寺に神殿が建てられた。そして、987年には、一条天皇から「北野天満宮天神」の勅号が贈られました。

道真公の生涯と北野天満宮の創建の由来が描かれた、鎌倉時代(1219年)の作品「北野天神縁起絵巻」は、国宝に指定されています。

藤原家の全盛期

10世紀後半頃から藤原氏が代々摂政・関白の地位につくことが常態化しました。藤原道長が自分の娘を天皇の后にすることで、発言力を強めた結果、「藤原道長」・「頼通」親子の時代にその権力の全盛期を迎えました。

藤原道長は、藤原氏の栄華を表す和歌を詠んでいます。

「この世をば 我が世とぞ思う 望月の かけたることも なしと思えば」
この世は私のためにあるように思う 満月に欠けたところがないように、今の私に足りないものは何もない

地方の反乱

平安中期のほぼ同時期に、争いが立て続けに起きました。関東での「平将門の乱」、瀬戸内海での「藤原純友の乱」で、この2つを総称して「承平天慶の乱」と呼ばれています。

939年 常陸国の豪族・藤原玄明は租税の納付を拒否したため、常陸国府から追われることとなった。平将門は頼ってきた玄明を匿い、さらには常陸国府を襲撃するに至った。その後、次々と朝廷の役所を襲って関東一円を支配すると、将門は自ら「新皇」と自らを称しました。しかし、僅か2ヶ月後、朝廷の命を受けた武士たちに攻められ、将門は滅ぼされました。

平安中期の文化

平安中期ごろ「国風」文化が栄えました。「平仮名」・「片仮名」の発明で日本語の表記が発達。清少納言による「枕草子」や紫式部による「源氏物語」に代表される女流文学者が登場しました。

905年 最初の勅撰和歌集として「古今和歌集」が、「醍醐天皇」の命により「紀友則」、「紀貫之」らに編纂されました。序文に6人の代表的な歌人、「僧正遍昭」、「在原業平」、「文屋康秀」、「喜撰法師」、「小野小町」、「大伴黒主」が「六歌仙」として記されています。

934年 男性である「紀貫之」が、女性の立場で土佐から京に帰る最中に起きた出来事を綴った紀行文「土佐日記」を執筆しました。初めての日本文学と言われています。

951年 踊り念仏で知られる「空也」上人により「六波羅蜜寺」が開創されました。空也は、庶民のために市中を巡って、『南無阿弥陀仏』と称える口称念仏を広め「市聖」とも称されています。六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための六つの修行のことです。
六波羅蜜寺には、空也が疫病を退散するために刻んだとされる、国宝「十一面観音像」、重要文化財「木造空也上人立像」、重要文化財「平清盛坐像」などがあります。


英語で日本を説明


素晴らしい文化、自然を海外に発信・広めて行きたいと考えています。