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本をつくるひと、やめるひと

本にかかわりたい。かかわるなにかがしたい。

何度かそう思っては難しさを感じている。

本は売れない、読まれない。いまや一部のひとたちだけの、ぜいたくな趣味になっていて。

本でなければできないことってなんだろう?

居場所をつくる。
本のある場所に安心感を覚えるひとがいる。そこにいけば、日常を忘れて本の世界に没頭できる。本が並んでいるだけで、想像力が膨らみ、ちょっと楽しい気持ちになる。

人のつながりをつくる。
同じ本を読んでる人、だけでなく、長い本の歴史のなかで、文脈として位置づけられた本どうしがつながり、世代を超えた関係性が生まれることもある。同じ時代の横のつながり、同じ文脈の縦つながり。

考えるきっかけをつくる。
自分では到底たどり着けない場所まで踏み込んで考え抜かれた本を読む。長い時間をかけなければ、一般にわかりやすく伝えるところまで到達しない思考の深淵を見せてくれる。それが日常とはかけ離れたものでも、なにか新しいものの見方や立ち位置を示してくれるかもしれない。

これらのことは、本でなくてもできるのかもしれない。本でそれらをすることにどんな意味があるだろうか。これらのことができていない本も山ほどあるはずだ。それなら、本なんて読まなくてもいいじゃないか、となる。

表面的なライフスタイルをなぞった雑誌や、すぐ使える、サルでも分かるノウハウ集、一瞬で流れていく本とそうではない本。
本を読まないひとが増えて、ますます売るほうは売りたくなって、あざとくなって離れていって。

そうした本の世界に嫌気がさしている人もいれば、そんななかでもホンモノを作ろうと頑張っている人もいる。

本を通じて、なにかを伝え残していくことは難しい。本以外にもたくさんの言葉と写真を残すことができる世の中でなぜ本なのか。


本をつくるひと、本屋をやめて別のものをつくるひと。それぞれの本を読んで、自分と本との付き合い方も考えてみたくなった。

私は、本と何ができるだろう。とても大切なものだから、それが無くなってしまわないように、大切なままに残り続けるように、じたばたと考えてみたい。



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