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誰かの読書日記をひたすら読む

年末から、ずっと読んでいる2冊の本がある。

『プルーストを読む生活』柿内正午 
『読書の日記 本づくり スープとパン 重力の虹』阿久津隆

みんな本を読んでいる。もちろん、昼間は仕事をしていて、その合間に、夜に、休日に、電車の中で、カフェで、夜の寝室で、とぎれとぎれに時間と場所を見つけてはその続きを楽しんでいる。

読書のうまいひとは、生活の地続きの世界から、すっと本の世界に入り込んでいっている。本の世界に入り込みながら、現実のいろんな悩みを投影したり、ニュースの情報や仕事の考えやらがいろいろと混ざり合ったりしたものが「日記」という形で残っている。

本を読む理由は、それぞれあると思う。知識や情報を得たいというときもあれば、ただただ楽しみたい、面白いものをみたい、新しい世界を知りたい、そんなときもある。
わたしも、いろんな本を読むけれど、どことなく人の生活を感じられるもの、ただ自分の生活に直接役に立たなくても、読んだ後にちょっと世界の見え方が変わったり、生活をするのが楽になったり、おいしいコーヒーやケーキをいただいたときみたいなホッと感じの本が好きだ。

詩人のひとが描いたエッセイは、本当に言葉に敏感で生活のささいなことにも喜びや悲しみを見出して、言葉にしているので、読んでいて楽しい。雑な生活をしている自分でも、そういう見方ができるようになりたい、と思う。

専門性の高い人がわかりやすく一般向けにかみ砕いた本も、とても楽しい。ずっと探求して深くひとつのことに関わっていないと見られない世界を、教えてくれる。なんだかとても贅沢で、プロの高級料理を食べているような感覚がある。

小説を作れる人は、本当にすごい。違う誰かの人生をしっかりと描き切る体力と創造力と、様々な人の視点、世界の見え方を理解する能力があって、最後まで読者を引き込んでいく筆力がある。物語は、私の知らない人生をたくさん教えてくれる。もしかしたら、違う道を選んでいたら、私の人生も違うように生きていたかもしれない、そのいくつもの分かれ道の先を見せてくれる気がしている。あるいは、懐かしい記憶を思い起こさせてくれる。

まあ、とにかく私も読書は楽しくて、大好きだ。

私は家で本を読むのが好きだけど、「読書ができる場所」はもっとたくさんあってもいいのかもしれない。本の読めるカフェ、ホテル、温泉など、最近は本を場所とつなげる試みはされているけれど、理想の「読書ができるの場所」はどんなところだろう。

家のような温かい場所で好きな本が好きなだけ読める場所、いつか作れたらいいな。



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