マガジンのカバー画像

お気に入りのnote

56
何度でも読み返したい、お気に入りのnote。
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

生きているあなたへ

Googleで「自助」と検索すると以下の文が出てくる。 「自分で自分の身を助けること。他人の力を借りることなく、自分の力で切り抜けること。」 私は自助や自立を前提とした生き方を強いられていることにほとんど違和感を持っていなかった人間だ。なぜなら自分でなんとかできるならそれが一番だから。他者があってこそだと常々感じながらも、長い間私は私を養っていることが自尊心の中心にあった。 でも私は助かってしまっただけだ。生き残っただけだと思う。 「当たり前に呼吸していることのふしぎ」をテー

ケアと男性|第2回「ちゃんとしなさい」の罪

この連載が書籍になりました! 第3回目まで無料公開していますので、続きが気になった方はぜひご購入ください。 無意識に出す「あの言葉」「ちゃんとしなさい!」 こどもが食事中に遊ぶ、散らかしたおもちゃを片付けずに放置する、急いで出かけたいときに限って裸で逃げ回る……。こういうときに、気づいたら「ちゃんとしなさい!」と叱っているぼくがいる。そして、口をついて出たその言葉を聞いて、自分自身がびっくりする。 「また、ちゃんとしなさい、って言ってる!」 そう意識した途端、焦るのだ

ケアと男性|第1回 ケアは面倒くさい?

この連載が書籍になりました! 第3回目まで無料公開していますので、続きが気になった方はぜひご購入ください。 「女もすなる」ケアについて、男性が体験談を書く。 それはどうしても、学生時代に暗唱させられた、あの土佐日記の逆バージョンになりやすい。 「女もすなるケアといふものを男もしてみむとてするなり(女がするというケアというものを、男である私もしてみようと思って、やってみました)」 「なんだか、それってずるい」。 男性の体験談には、このような反論が、ケアまっただ中の女性