モンマルトルから旅に出る
≪ パリ滞在記・その27 ≫
〜Musée de Montmartre モンマルトル美術館・③ 〜
さていよいよ美術館のコレクション展です。
展示されている資料の写真や、作品から19世紀末当時のモンマルトルの様子がわかります。
キャバレーのためにロートレックやスタンランが描いたポスター。
キャバレーで上演されていた影絵芝居に使われた亜鉛板。
「ムーラン・ルージュ」で大流行していたフレンチ・カンカンに関係した作品やビデオ上映など。
とても楽しいのです。
また、かつてピカソたちが飲んで騒いだキャバレー「オ・ラパン・アジル」、その名前の元になったアンドレ・ジルが描いたウサギの看板が可愛らしい。
ジルのウサギ (lapin à Gill) として有名になったことから、キャバレーも「ラパン・アジル」呼ばれるようになったとか。面白いですね😊
そしてやはり、自分たちの存在意義を模索しながら画家たちが描いた作品が印象に残りました。母ヴァラドン、息子ユトリロ、そしてアンドレ・ユテール。
ユトリロの友人で彼より3歳年下の画家志望ユテールは、ヴァラドンの恋人となり3人で生活し、のちにヴァラドンと結婚。つまりユトリロの継父となります。
いろいろな感情を表に出さないよう努めた(←と勝手に感じる)ユトリロの絵も良いのですが、激しい感情をも作品に描くユテールの人物画に強く魅かれました。
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美術館に散りばめられた “キーワード” やモンマルトルという街から、連想ゲームのように周辺知識を広げていきたいです。
※ ”キャバレーの看板やメニュー“ から、そこに隠された裏話
※ “サティやドビュッシーが作曲に使用したピアノ” からそれにまつわる話
※ ここに住んでいた ”タンギー爺さん“ からそこに出入りした画家たち
※ ピカソが『アビニヨンの娘たち』を描き、マティス、モディリアーニ、ドンケン、グリス、ブランクーシなど芸術家の共同アトリエ「バトー・ラヴォワール (洗濯船)」の日常
などなど。
もし私に研究者(?)の素質があるならば、ここモンマルトルは 知識を広げる旅を始める糸口がたくさんある場所です。
まあまあ🤗と。
感動だけをお土産にして、ひとまずモンマルトルの丘を降りたのであります。
・ <その27>終わり
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