ダ・ヴィンチ と 東山文化
日めくりルーヴル 2020年2月4日(火)
『岩窟の聖母』(1483−1486年頃)
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519年)
530年以上も前に レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた作品。
コロンブスがアメリカ大陸を発見するより前のことです。
ルーヴル美術館のグランドギャラリーで観た本作は、カレンダーの写真よりもう少しだけ明るく、背景となる岩窟の様子や 遠くに臨む景色の奥行きがしっかり描かれているのがわかりました。
また描かれている聖母マリア、幼児キリスト、幼い洗礼者ヨハネそして天使の表情や肌の色からは人間の(ような?)温かみを感じました(あまり上手く撮影できていないことをお許しください)。
◉『モナ・リザ』にも施されている“スフマート”技法を完璧に例示している作品
◉板に描かれていた作品を 1806年に修復家がキャンバスへ移植した
◉ロンドン・ナショナルギャラリーに別バージョンの『岩窟の聖母』がある
ことなど全く知らずに「うわぁ〜これが有名な岩窟の聖母だ!」と呑気に見ておりました。
2011−2012年にロンドン・ナショナル・ギャラリーの企画展で、二つの『岩窟の聖母』
・ルーヴル・ヴァージョン
・ロンドン・ヴァージョン
が同時に展示されたそうです。
実物を前にして、両者の違いを比較しながら鑑賞できるなんて、素敵な企画ですねぇ✨(写真はWikipediaから)。
祭壇画として描かれた『岩窟の聖母』。宗教的な意義が全くわからない私は、この絵を前にして「厳しく静寂に包まれた自然の中、質素であっても精神的な豊かさを求めなさい!」と言われているような気がしました。
レオナルドが本作を描いたのは 足利義政が銀閣寺を建立した頃。
‘侘び・寂び’ と呼ばれる簡素で深みのある美が重んじられた東山文化と、この作品はどこかで通じるものがあるのではないか!と勝手に結びつけて一人で納得してしまうのでした。
<終わり>
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