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レイレイとハオコ。動物園と美術館

前の職場を辞める直前にLINE交換をした元同僚のNさん。
その時 初めて彼女が熱心なパンダウォッチャーであり、上野動物園の年間パスポートを持ち、動物園に通うために最寄りの職場=美術館を選んだことを知りました。
「動物」と「西洋絵画」・・・対象こそ違えど私と似てる(笑。

「えーーーっ!双子ちゃんをまだ見ていないのですか?二人が別々の部屋に移ったことも知らないのですか?」と驚いたNさん。
「ご案内するので、ぜひご一緒ください!」とスケジュールを決めてくれました。

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よく晴れた気持ちのいい土曜日10時半。上野公園内にあるパンダ・ポストの前で待ち合わせ。動物園の入り口は親子連れで待ち列ができています。
「大丈夫、チケットはあります」と私の分のチケットを買ってくれていました。ありがとう!

「まずはパンダを見ていいですか?」
もちろん!
「女の子と男の子、どっちが見たいですか?」
わからないから任せるよ。
「では、今日は女の子に会いに行きましょう!」
‘待ち時間40分’ の札の前で、
「やったーっ。土曜日なのに短い方ですよ」

列に並んでいる間、パンダのことをいろいろ教えてくれました。
◎ 今日会いに行く女の子の名前は「レイレイ」、双子の男の子の名前は「シャオシャオ」であること
◎ 以前二人は同じ部屋に居たので、一つの列に並ぶと二人に会えた。4月に別々の部屋に移ってからは、レイレイに会うために並んで、次はまたシャオシャオの列に並ばなくてはならないこと
◎ 去年2月、シャンシャンが中国に旅立つ時はとても悲しくて、最終日に上野に会いに来て、その2日後飛行場までお見送りに行ったこと
◎ 双子ちゃんも6月23日で3歳になるので、いつ旅立つことになるのかわからないこと
…などなど。

それだけではありません。
◎ 先日、コツメカワウソのケン君が亡くなったんですよ
◎ 今日はスマトラトラの赤ちゃんが見られるかもしれません
…などなど。

目をキラキラ✨輝かせて話をするNさんと一緒に居ると、あっという間に40分が経っていました。
レイレイ部屋の扉の前で係員がお作法を説明してくれます。
決められた数の人がパンダのお部屋に入ったら、左側、正面、右側の3箇所から、各1分ずつご対面の時間が与えられるのだそうです。

そういえば、ルーヴル美術館で『モナリザ』を観た時もこんな感じだったよ!
と発言したのですが、
「パンダは部屋の奥にいることもあるし、寝ていることもあるから、どんな様子のどんな表情が見られるかはその時次第なんですよ」とNさん。
なるほど。
壁に展示されている遺産と生きている動物は全く違うのですね。
ふむふむ。

ラッキーなことに、今日のレイレイちゃんは正面に座って 私たちの方を見ながらお食事中。
3歳の子供とは思えない立派なお姿で愛嬌を振りまいてくれました。
他の人たちに習って、私もiPhoneを取り出して撮影、撮影!

撮影した写真がこちら。なかなかよく撮れた!と思っていたのですが。。。

2024年6月8日(土)のレイレイ

あれっ⁈。
写真をよく見るとすべて、目をつぶっているか目が半開きではないですか!。
目の周囲が黒い毛で覆われているので、パンダが目を開けている・目をつぶっているなんて全く気にしていませんでした。

一方、Nさんが撮影した写真と、上野動物園HPに掲載されていたレイレイの写真がこちら。

左)中)2024年6月8日(土)のレイレイ
右)上野動物園HPより

気にしなければ見逃してしまいそうなのですが、黒い毛の中にある目を見ると、おーーーっ。目を開けていますね。
さすが、さすがです!
目に注目すると、パンダの色々な表情が楽しめるのですねー。新発見です。

レイレイちゃん、また会おうねー!
シャオシャオくんは今度会いにいくからねー!

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夕方から用事があったので、今日の持ち時間は3時間。
「他に会いたい動物はいますか?」
そうだね、象、キリンそしてゴリラは絶対見たい!
「では、今日はそこを外さないようにご案内します」

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パンダに負けず劣らず夢中になったのがゴリラの森。
10年ほど前に上野動物園に来たときは、奥の方にいる大人のゴリラを2、3頭見ただけでしたが、今回はたくさんのゴリラが目の前にいました!

大人ゴリラが6頭、子どもゴリラが1頭・・・。
おーっ!HPの情報を見ると、全員集合しているようです。

お母さんの背中にずっと乗っていたのは、スモモちゃんだったのですね。

ちょうど全員で場所を移動する時間だったようです。
きっと群れの中で序列が明確に決まっているのですね。群れのボスらしきゴリラが、扉の下に位置どり、扉を支えるようにして全員を移動させます。
カッコいい!

2024年6月8日(土)場所を移動するゴリラたち

カッコいいね!
と、後ろを振り返ると、Nさんは人だかりの後ろの方からニコニコしてこちらを見ています。
どうやら私はずーーーっと、最前列でガラスにへばりついていたようです。すぐ後ろには子ども達が最前列に行きたそうにウズウズしています。
特等席を長い時間占領してごめんねー。
Nさんはとっくに子ども達に最前列を譲っていたのですね。

「あれは群れのボスのハオコです。かっこいいでしょ⁈」

ハオコの写真・TOKYO ZOO NET 2007年記事より

カッコいい!男前!さすがボス!後ろ姿が男らしくてギリシャ彫刻のようで芸術的!

「シルバーバックがかっこいいですよね。ハオコは、イケメンで有名になったシャバーニのお兄さんなんですよ!」
えーーっ⁈ シャバーニの名前は知ってるよ!そうなんだね。

左)シャバーニ
右)ハオコ

オランダで生まれて、すぐにオーストラリアに引っ越しをしたニシローランドゴリラの2頭は、2007年6月に繁殖プログラムのため来日。ハオコは上野動物園へ、そして3歳下のシャバーニは東山動物園に行ったのですね。

どんな顔がゴリラ界の男前なのかよくわからないのですが、どちらも素敵。
ハオコはとにかく立ち振る舞い、たたずまいがカッコいい!
ただならぬオーラがありました。

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すでに日差しは強く、気がついたら喉がカラカラでした。日陰で手持ちのドリンクを飲みながらひと休み。

パンダの飼育員になりたい?
「もちろんです!」
パンダ以外の飼育員になるとしたら、どの動物を選ぶ?
「マヌルネコ。猫が大好きなんです!」
と素敵な笑顔。キラキラ✨輝いている人を見ると私の心も華やぎます。

緑あふれる公園の中で、食事をしたり眠ったり泳いだりしている動物たちを見ていると、久し振りに「無心」になれたような気がします。
思い切り空気を吸い込んだら、身体中の血液がリフレッシュされていくのを感じるのでした。

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動物園を半分ほど回ったところで時間切れ。
「続きは次回。またご案内しますね」
ありがとう!楽しみにしてるよ。

今度行くときには、4月に産まれたマヌルネコの赤ちゃんがお披露目されているかも知れません。

上野動物園HPより

<終わり>


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