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画家 ユトリロとヴァラドンという女性

≪ パリ滞在記・その25 ≫
 〜Musée de Montmartre モンマルトル美術館・① 〜

別行動をしていた旅のパートナーが「新しい発見が満載の場所あり!」と興奮して戻ってきました。そこはモンマルトル美術館。
うっ💦サクレ・クール聖堂の帰りに立ち寄ればよかった…。
行きたい!どうしても行きたい!!、と3日後に再びモンマルトルの丘に向かいました。

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19世紀から20世紀にかけてモンマルトルを活動の拠点にした芸術家は多く、美術館に向かう途中にもその名残りを見ることができます。
現在も営業しているというキャバレー「オ・ラパン・アジル」。

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ピンク色の壁の中で ルノワール、ユトリロ、ピカソ、モディリアーニやブラックなどが飲み、語り合っていたことを想像するだけでクラクラします😵
今も残るブドウ畑を越えて行くと美術館がありました。
見所がたくさんあって、何を書けばよいのか…。

まず、ユトリロとその母シュザンヌ・ヴァラドンの部屋へ。
ヴァラドンのことは全く知りませんでした。サーカスのブランコ乗りだった彼女は、10代後半からロートレックやルノワールといった画家のモデルとなり、その後 自らも絵を描くようになったそうです。
“ロートレックと同棲“、”ドガの庇護を受ける“、”エリック・サティと交際“、”ユトリロの本当の父親はルノワールか⁈ ” といった話を聞くと、とても魅力的な女性だったと想像できます。絵画のモデルとして描かれたヴァラドンの美しさ✨たるや…。

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しかし私生児として生んだ息子、モーリス・ユトリロとの関係は複雑だったようです。
共に画家であった親子は、絵画の面では影響されることなく別々の作風を確立していたようですが、本質的な面では違っていたようです。
ヴァラドンの部屋には、美しい母と少し怯えた男の子の写真、

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アルコール依存症と闘いながら立派な画家となった息子ユトリロを描いたヴァラドンの作品も飾られています。

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ヴァラドンの生活空間(再現)は、壁紙や絵画で飾られ多くの調度品でゴチャゴチャしてると思いきや なぜか落ち着きます。
一方、ユトリロの部屋(再現)は少し異様な雰囲気が漂っていました。うまく言葉にできませんが、映画で見る療養所のような、病室のような…。

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白い壁に囲まれた部屋には簡素なベッドや家具があり、窓からは明るい光が差し込んでいます。しかし漂う空気は重く息苦しい「孤独」の空間でした。ユトリロは生涯母親を愛し、憎み、慕い、恨み、彼女の魂と魅力に翻弄され続けたのではないでしょうか。

勝手な想像をドンドン膨らませながら、ふたりのアトリエに移動しました。“制作現場”はどこか秘密めいており、こっそり侵入したような気持ちでドキドキ💗しました。

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大きな窓から見えるモンマルトルの景色は美しく、現在は静かで穏やかです。
ユトリロに向かって「モーリス、大丈夫だよ」と声をかけるほど訳のわからないテンションになったのでした💦

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美しいルノワールの庭については次回へ。
・       <その25>終わり

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