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そんな人に、私もなりたい!モンドリアン

≪ パリ滞在記・その22 ≫
   〜Musée Marmottant Monet 〜 マルモッタン美術館 ②

常設展に感動した後「ついでに。」と見始めた<モンドリアン展>。
見逃さなくて本当によかったです。

モンドリアンといえば、『ブロードウェイ・ブギウギ』や『コンポジション2』に代表される単純な色と垂直線・水平線だけの作品で知られる現代作家。

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デザインとして美しい のですが、私の中の “画家” というイメージとはかけ離れている!と勝手に思い込んでいました💦

展示会では、初期作品から彼の歩んだ道を追っていきます。
あれ?デューラー⁈と思った兎は、モンドリアン19歳が描いた作品。

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“学生時代は写実的な作品や印象派に似た風景画を描き、その後は様々なスタイルを模索” していったようです。
また “関心を抱いていたオカルト的な趣味や哲学も作品に影響を与えている” とのこと。

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展示されている作品は、形の捉え方や描き方、色の選び方・使い方、流れる空気感が美しく哀愁を帯びています。
新しく、物悲しい作品群に魅かれます。

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モンドリアンの物の見方、考え方や感性に寄り添える部分が、私の中にあるのではないか!と勝手に共感していた次第です💦

“キュビスムに影響を得て、抽象性、シンプル性への探究から新造形主義へ” ….。
そして展示会最後のスペースに飾られた『コンポジション』。

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この作品を文字に起こせば「白地の上に黒い垂直線と水平線のグリッド模様と3原色で構成された絵画」です。
しかし、この展示会でモンドリアンの軌跡を見てきた(←ほんの一部ですが)私は、この作品を見て大いに五感が刺激されました。
その組成から何かを見つけようと目を凝らし、耳を澄ませ、匂いを嗅ぎ、指先がザラつくのを感じるのでした。

きっとモンドリアンという人が、目に映らないものを全身で感じ取り、それを素直な気持ちで受け入れた上で、イメージを膨らませ、それを形にする創造力を持っている人だからではないでしょうか(と また勝手に納得💦)。
「そんな人に、私もなりたい!」

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これまでアートから離れた人生を送ってきた私は、
‘ この作家=この代表作品 ’ と「覚える」ことで知識を深めた気になっていました。
入り口はそれでOKですが、浅い知識を広げるだけでは何も見えてきませんね。
今回、モンドリアンが描いた『ひまわり』を見ました。これ、好きです。

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ゴッホの描くひまわり、モネが描くひまわり、エゴン・シーレのひまわり。
そしてモンドリアンが描いたひまわり。どれも素晴らしくて魅力的です。

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同じ花をいろいろな角度や別の視点から捉えて、自分の感性で表現した作品。
現代に生きる私たちは、自分の感性を磨くためのヒントを与えてくれる多くの教材を入手することが可能です。幸せですね。

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私の中で ‘ひまわり’ といえば、10代の頃リバイバルで観た映画『ひまわり(Girasoi)』。ソフィア・ローレン演じる 激しくも切ない女性。聴くだけで胸が熱くなるヘンリー・マンシーニの音楽、そして ひまわり畑を映し出したカット。
文学、映像、音楽、そして演者…。
最近、絵画ばかりにのめり込んで(笑)いましたが、いろいろな表現の方法があることを思い出しました。
広い視野を忘れないように進んでいきます☺️  <その22>終わり

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