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美術展

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美術展に行った感想、気になった作品や作家について書いています。
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2019年7月の記事一覧

DIC川村記念美術館

美術展に出向いたり、地方の美術館に行くようになってから約2年。作品を観るとき、その作家の別の作品と比較して鑑賞するようになりました。 DIC川村記念美術館に行ってきました。東京駅から直通バスに乗ると、平日のせいかガラガラ。ゆったりした座席で約70分、快適でストレスなしの小旅行です。 高速道路を降りると、長閑かな風景の中に静かで整備された場所が出現します。到着です。バスを降り庭園に入っていくと、奥に佇むムーミン村を思わせる建物が美術館でした。 マイヨールが

《松方コレクション展》作品紹介 その2

現在開催中の美術展《松方コレクション展》の作品をご紹介していきます。第ニ回目は 、[第III章 海と船]に展示されている大きな作品です。 シャルル・コッテ『悲嘆、海の犠牲者』1908−09年 国立西洋美術館所蔵 263cm×347cm 【第I章 ロンドン 〜 第II章 第一次世界大戦まで】 《松方コレクション展》は、プロローグの『睡蓮』を観た後、地下3階に進みます。そこはまるで古いヨーロッパの美術館。数多くの絵画が、ところ狭しと展示されています。 「この絵の説

《松方コレクション展》  作品紹介 その1

現在開催中の《松方コレクション展》の作品をご紹介します。 第一回は、展示会のプロローグとして最初に展示されている作品です。 クロード・モネ『睡蓮』 1916年 国立西洋美術館所蔵 200.5cm × 201㎝ 【モネが描いた連作<睡蓮>】 クリムトが生涯に描いた油彩画は200点程度。これに対してモネは200点以上の<睡蓮>を描いたのですから、その多さに驚くばかりです。 ジヴェルニーの自宅に創り上げた“水の庭園”に咲く睡蓮を描き始めたモネ。当初は、池の周辺にあ