短編小説『セフレという関係』

私にはセフレが9人いる。
そのほとんどが経営者だ。
経営者が多いのは、仕事柄そういう人と出会う事が多いから。

9人のうち、セフレと呼ぶには申し訳ないくらい心が通い合っている人もいる。
でも私のスタンスは一般的にセフレと言うのが近いだろうから、ここではそう呼ぶ事にする。

セフレと言ってもいろいろで、身体だけの関係の人もいれば、会っているときはカップルのようにデートしたり、仕事の相談に乗ってくれたり、人によって関係性が微妙に違う。

セフレを作る理由もいろいろだ。
性欲を満たすため。
体型維持のため。
その人の影響を受けたいため。
いろんな人の考え方や生き方を知るため。などなど。

でもひとつはっきり言えるのは、”寂しいからセフレを作っている訳ではない”という事。
世間では、セフレがいる=病んでる子、というイメージがまだある。
たしかに実際そういう子もいる。
でも私は誰とでも寝たい訳じゃないし、誰でもいいからそばにいてほしいというタイプでもない。
相手を選ぶのは私だし、私が会いたいときだけ会う。

そもそも私は基本的に一人で生きるのが好きだ。
だからわざわざ彼氏とか”付き合う”という事をしたくない。
それに一人の人に絞って本気で付き合うには、世の中良い男が多すぎる。

私の好きなタイプは「束縛しない人」
これに尽きる。
私を自分のものにしようとか、「俺以外とは会わないで」と言う人とは価値観が合わない。
経済力は求めてないが、仕事の愚痴ばかり聞かされるのは時間の無駄なので、前向きな人であってほしい。
見た目のタイプはない。

そもそも人を所有する事はできない。
だからいくら”彼氏”とか”旦那”ができたとしても、その人は自分のものではない。
同じく私も誰のものでもない。
私は私のものだし、私以上に私を愛せる人がいるとも思わない。
だから基本的に私は一人でも十分心が満たされている。
セフレといるときの自分がデフォルトではなく、一人でいるときの自分がデフォルトだから、一人でも全く寂しくないのだ。

ちなみに私は恋愛=ゲームだと思っている。
どう自然にセックスに持っていくか。
どう相手を気持ちよくさせるか。
それはベッドの上だけじゃなく、気持ちの面でも。
この人はどんな言葉をかけてほしいのか?どんな言葉を言ったら、行動をしたら、喜んでくれるのか?を考えながら接するのがとても楽しい。

だから誰か一人と家庭を築き上げるというよりも、何人もの人とフランクな関係でいたい。
少なくともあと5年くらいは。
でゆくゆく、パートナーを見つけようと思う。

もともと私は恋愛体質だった。
でもそれだと仕事に支障が出る。
プライベートの出来事にテンションが左右される。
それがすごく嫌だった。
だからどうしたらラクに生きれるかを考えた結果、今のスタンスにたどり着いた。

この生き方が正しいかどうかは分からないが、ありがたい事に私のまわりには理解者が多いのでとても助かっている。
きっと今後セフレとのエピソードを書く事もあるだろう。
ひとつ言っておくが、私のセフレは全員、良い男だ。

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