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【イベントレポート】 Communication Design Night vol.5_課題解決も、美しさも両取りしたい、デザインレビュー。

Comminication Design Night、略してコムデナは、主に事業会社でコミュニケーションデザインやグラフィックデザインに関わる方に向けたイベントです。それぞれの企業で、デザイナーが得た知見や悩みを共有できる場としてLayerXが企画・運営しています。

第5回は「レビューと品質」をテーマに5月に移転した弊社オフィスで開催いたしました。
デザインは課題解決の手段である。と言われる昨今ですが、 美しさや情緒的魅力を生み出すクラフトスキルも同等に諦めたくない大切な要素です。

手を動かす制作以外のスキルも必要なことが多いインハウスのコミュニケーションデザイナーですが、どのようにデザイン品質の向上に取り組んでいるのか知見を共有し合いました。

企画とご登壇にGaudiyさん、DeNAさんのご協力をいただきました。ありがとうございました!

東銀座の新オフィスで開催しました!

コムデナって何?という方は、これまでの開催レポートをぜひご覧ください🌷

こちらは第4回の印刷工場の見学と紙のレクチャーについてのイベントレポートです。

乾杯しながらアイスブレイク

今回のアイスブレイクのテーマは、「乾杯で選んだドリンクのデザインのグッドなところ」。

様々なデザインが楽しめる100種のドリンクをご用意しました。


いくつかのグループで分かれてもらっていたのですが、初対面の方同士でも、ドリンクのラベルの一部が透明になっているような細かい仕様や、味を表現している色や形についてなど魅力的なところをきっかけにデザインについて楽しくお話ししていただけたようでした。

乾杯!

場が和やかになったところで、LTの時間が始まります🍻


デザインの品質をあきらめない、各社のレビューに関する取り組みに関するLT

限られた時間で良いデザインをつくるために 株式会社LayerX 西村健作

弊社からは「限られた時間で良いデザインをつくるために」というテーマで、アートディレクターの西村からお話ししました。

LayerXではこれまでもデザイナーチームでのレビュー会が行われていましたが、西村はよりアウトプットの完成度を上げることにフォーカスした会を主体となって企画、実施しています。

通称「ごしごべ会(ご指導ご鞭撻の略)」と親しみを持って呼ばれ、その場で実際にデザインをさわりながら、細かいところまでブラッシュアップすることで、デザインの勘所とスピードを向上させることを目的としています。

主催者は良いデザインを5つの要素に分解して、以下の中から2つ以上が突出している、もしくは全てが適切にコントロールされている状況を良いデザインと定義し、レビューを行います。

機能(わかりやすい、使いやすい)
装飾(美しい、かわいい、かっこいい)
シズル(そのものらしさ、〇〇ぽさ)
ユニークネス(独自性)
完成度(細部の詰め、素材)

アドバイスの中でも、リファレンスに関しては、対象のアウトプットと同じ形式のものにとらわれないことも重要。

具体的な事例としては、ゴミ箱のサインのデザインがレビューに上がった際に、他のゴミ箱を参考にするだけではなく縦長ゴミ箱本体の形をポスターのように捉えて、参考作品の幅がグッと広がりました。

良いデザインになったら、5つの要素を制作者と振り返り次の制作に活かせるようにします。

ごしごべDBと会の様子


こうしたそれぞれの制作物についてのやりとりはnotionでDB化し、チームで閲覧できる教科書的なものに育ててています。

主催者がしっかりとした観点を持ち、丁寧に言語化しながらレビューすることで属人化されやすいデザインの経験をチームでインプットできる点が良いと感じました。

紹介した事例の一つであるこちらのnoteのアイキャッチは、インターン生の髙橋さんがごしごべ会を通じてブラッシュアップさせながら制作したデザインです!(noteもぜひご覧ください)


デザインレビューをできていなかったコムデチームが、自分たちが続けられるレビューの仕組みを作った話 株式会社Gaudiy tanashoさん

「デザインレビューをできていなかったコムデチームが、自分たちが続けられるレビューの仕組みを作った話」というタイトルでGaudiy tanashoさんにご登壇いただきました。


ファンコミュニティプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を開発・提供しているGaudiyさんは、クライアント企業とともに、その中で多岐にわたるクリエイティブ制作を行なっています。

多様な制作物に伴って短納期で制作対応が迫られる状況が起こりがちである、また、デザイナーにミドル層が多く、またフラットな組織体制であることも加え、デザインについてのレビューを一般的な上下関係の中で行うことが難しいという課題がありました。
よりチームで品質を高めながら、スピード感を持って制作物を作る必要がある。
そうした課題感を打破すべく、「コストセンターからアウトプットへの誇り& 強いチームへ」という熱い想いで、レビューの仕組みを作り始めたそうです。

具体的には、取り組まれているレビューの仕組みとして3つご紹介いただきました。

取り組みのサマリーが記載されたスライドの画像。メンバーの共通言語や共通認識を揃えるための「レビューに関する本の輪読会」。レビューのハードルを下げるための「クイックレビュー」。1ヶ月の振り返りを褒め合う会「Monthly Doya」。

目的やチームに合わせたアプローチで、良いデザインを仕組み化されているようです!

Gaudiyさんのコミュニケーションデザイン組織についてのより詳しい取り組みについては先日公開されたこちらの記事でもご覧いただけます!


2023 SUMMER INTERNSHIPのデザインと世界観づくりの振り返り 株式会社ディー・エヌ・エー チェ ジョンウォンさん&武藤 紗菜さん

「2023 SUMMER INTERNSHIPのデザインと世界観づくりの振り返り」というテーマで、DeNAのジョンさんと紗菜さんにご登壇いただきました。

息ピッタリ!

若手デザイナーのお二人で、自走しお互いにレビューしながらクオリティ高く魅力的なデザインを制作した過程について振り返りながらお話しいただきました。
SUMMER INTERNSHIPでは、キービジュアルをはじめとする全体のデザインを担当され、参加者に配布するギフトBOXは外箱から中の一つ一つのアイテムの梱包法までこだわって制作されています。(ご持参いただいた実物は、懇親会でも大変話題でした!)


若手、かつ同年代のお二人が対等な立場ながらも、共同制作で隅々まで良いデザインを作れた秘訣は「価値観の一致と仲間意識」「異なる得意分野を活かすこと」。
ストレングスファインダーを元に相手の得意・不得意を理解する取り組みもご紹介いただきました。ライバル意識ではなく仲間意識を持ち、お互いを認め合うことで、それぞれがオーナーシップを持って伸び伸びデザインすることができたようです。
お二人の相性や高いスキルなどは、簡単には再現できないことかもしれません。
ただ、年齢や経験によらず、仲間と相互に高め合っていく姿勢や工夫を大切にしたいと思う発表でした。

今年のSUMMER INTERNSHIPのデザインもお二人が担当されているそうです!



コムデならではの話で盛り上がる懇親会

LTの後はそれぞれのテーブルで懇親タイム。
ご飯を食べながら日々の悩みなどあるある話で盛り上がりました。

コムデナはお一人で参加してくださる方も多いので、当日なるべく交流しやすいような工夫を考えているのですが、非常に盛り上がっている様子で主催者として安心しました。
席替えがうまくいかなかった際は参加者の方が空いている席に移動してくださるご配慮もいただき大変ありがたかったです🙏

次回予告

次回第6回は現在計画中ですが、10月末ごろ実施する予定です。これまでリピートでお越しくださった方もいらっしゃって、会を運営する身としてはありがたい限りです。
次回も楽しんで参加できる会を目指して準備しておりますので、ご参加いただけますと幸いです。

(これまでなかなか抽選が当たらなかったという方もいっらしゃいました🙇‍♀️ごめんなさい!今回からは自社オフィスで開催できるようになったため、今後は席数も柔軟にご用意できるようになっております。)

LayerXではデザイナーによる発信をnoteで定期的に行なっており、コムデナを含む、様々なイベントのお知らせもございますので、ぜひフォローお願いします!

(執筆・LayerX コミュニケーションデザイナー 住岡 @azusanpome