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お客様への愛、お客様からの愛で実った全国1位

 全国にあるローソンのオーナーさん・クルーさんに、マチの魅力とご自身との関わりをインタビューする企画「#マチのほっとステーションをつくるひと」。
 
 今回は、愛知県の一宮萩原町富田方店で活躍する加藤由香里さんにインタビュー。2022年に、ローソンの店舗オペレーションに関する知識とスキルを兼ね備えることで、各分野のスペシャリストクルー=ファンタジスタの中で、店内調理のまちかど厨房部門(ファンタジスタ制度は、接客・FF・マチカフェ・まちかど厨房の全4部門)全国1位に輝いた加藤さんに、まちかど厨房を通じたマチへの想いを伺いました。


偶然転がり込んできた、得意が活かせるまちかど厨房

本日は、よろしくお願いします。加藤さんは、ローソンで働き始めてどれくらい経つのですか?

 2016年に働き始めたので、7年くらいです。子供が小学生で、小さかったので、1日3時間、週3日からのスタートでした。

それまでは、どんなお仕事をされていたのですか?

 幼稚園の先生をしていたのですが、幼稚園を辞めてから、大好きな料理をもっと頑張りたいと思って、中華料理屋さんでアルバイトしながら調理師の専門学校に夜間で通っていました。無事に免許取得し、ローソンに入る直前までは回転寿司チェーンでアルバイトしていました。

そこで初めて免許が活かされたということですね。

 それがそうでもなくて(笑)。中で作りたいということでお願いしたのですが、そのお店の店長から「表で接客をして欲しい」と言われて、接客を担当していました。幼稚園の先生をしていたこともあり、子供たちにはちょっと自信を持って声をかけたりできるので、そういうところを評価していただいたのかもしれません。

ということは、免許を取ってからの初めての調理担当がローソンと。

 そうですね。でも、それも本当に偶然で、最初はまちかど厨房を担当するはずではなかったんですよね。私が入った時に、偶然にまちかど厨房の担当のクルーさんが辞められて「そうしたら、加藤さんは厨房をお願いします」って、入れ替わりで。これは私にとってはありがたい!得意分野だな。と思って担当させていただくことになりました。

 ただ、私が厨房を担当した当時は、店内調理を導入しているお店自体が多くなく、手探り状態な気分でした。もちろん味は決まっているので、マニュアルを見て作るのですが、慣れるまで非常に難しく、苦労したのを覚えています。なので、どうしたらもっと美味しそうに見えるかな?おいしさが伝わるかな?というのを、日々考えて試行錯誤しながらやらせていただきました。


見栄えにこだわり、自分のおすすめを伝えたい

一番こだわったのは、盛り方ですか?

 そうですね。マニュアルには「おいしい味」を「正しく」作る方法は書かれているんですが、どうしたらおいしそうに見えるか、キレイに盛り付けられるかまでは書いていなくて。でも、見栄えって本当に大事だと思うんですよね。同じものを作っていても、見栄えがキレイになるだけで、売れていくスピードがもう全然違うんです。お客様に支持されているんだなって実感します。

 あとは、ポップづくりもこだわっています。幼稚園での勤務時代、私自身はお遊戯や工作を考えて教えたりすることが大好きでした。それが活かされているかもしれません。ポップも見た目のキレイさと同じで、お客様の目に留めていただくことがすごく重要なものだと思っていて。

 せっかくおいしい商品を作っても、やっぱり見てもらわないとダメなんで。でも、私すごく字が汚いんですよ(笑)。常連のお客様に「もっと分かりやすい字で書けたらいいのに〜」って言ったら「加藤さんの、この字だからいいんじゃん。本当におすすめしているのが分かる。これがすごくキレイな字だったら目に留まらないよ」ってお客様に言っていただいて。すごく自信がついたんですよね。盛り付けもポップも手探りだったので、お客様が自信をくださるんです。「いいね、いいね」って言ってくださって「じゃあもっとやろう、もっと頑張ろう」っていう自分の中で盛り上がっています。

 なので、新商品は必ず食べてから、ポップをつくるようにしています。私の自信を持てるポイントである、気持ちを込めたくて。

正直、自分の好みじゃない商品もあったりしませんか? 

 それはあります、やっぱり人間なので(笑)。でも、やっぱり人それぞれ味のお好みがあるので、必ず並べます。それで、買って食べていただいた常連のお客様に「この間のあれ、どうでしたか?」ってご意見を聞いたりして。
 嬉しいことに「加藤さんのおすすめのやつ買ってくよ」って言ってくださるお客様が結構いらっしゃいます。「じゃあ、私はこれが好きなんで今日はこれ食べてください」ってお薦めします(笑)。「これは野菜が入ってるよ」とかそういうのもお伝えしたりしています。常連さんだからこそ飽きないように、バランスも偏らないようにって。

加藤さんのお客様との関係性の深さに驚きました。厨房って、お店の奥にあるので、あまり接客というか、セールストークのイメージがなくて。

 それがローソン、まちかど厨房ならではなのではないかと思います。厨房からもレジが見えますし、レジが混んだらすぐにレジにも入るので、お客様との接点は多いですね。作っている時はさすがに手袋もして帽子も被っているのでなかなか売場には出られないのですが、自分の作った商品は必ず自分で並べに行きますし、鮮度管理も自分で実施するので、売場に出る時も多くて。自然とお客様にお薦めする機会や会話が生まれるんですよね。
 そういうのを積み重ねていくと、「何がおすすめ?」って聞いていただけるようになって。聞いていただけると、私も前のめりにお薦めできるので、どんどんコミュニケーションが深まって楽しいです。

このマチの台所みたいですね(笑)。

 お客様には、愛妻弁当だって言われました(笑)。


自信をもらえた一番も、マチのお客様のおかげ

お話は変わって、トップ・オブ・グランドファンタジスタのお話を聞きたいのですが、グランドファンタジスタを目指すきっかけを伺ってもいいですか?

 グランドファンタジスタの認定制度が始まって、最初の年にマチカフェ部門のグランドファンタジスタになったとあるクルーさんがいらっしゃって、ローソンのCM等にも出演されていたこともあるんですが、その方が実は一度このお店で働いていたことがありまして。その方からファンタジスタへの応募を薦められて、弟子として、という気持ちで挑戦しました。
 その方はマチカフェ部門だったのですが、私の得意分野はやっぱり料理ですし、厨房だったら自信持って挑戦できるなと思ったので、まずはまちかど厨房部門で頑張ってみようと。

それで認定されて、今度はグランドファンタジスタの大会に出ようと。

 大会の出場も、憧れの方から「出てみたら?」と言っていただいて、出たいと思うようになりました。その後、本社のSVさん(スーパーバイザー=本部と加盟店をつなぎ、加盟店の経営コンサルティングを行う仕事)からも推薦されて。嬉しいなと。
 実は、少し前に脳に病気をしてしまって、一時は半身不随になり、記憶もどうなるか分からないって言われて。だから最初は、私に出られるのかな?っていう不安もあったんです。でも、その病気の時に、人伝に「加藤さんお店にいないけどどうしたの?」っていう心配のお言葉をお客様からいただたいているということを聞き、待っていてくださる方がいるっていうのが本当にありがたくて、それが復帰の励みになったんですよね。なので、その気持ちを、お客様への愛を伝えたいと思って出場することにしました。そうしたら、まさかのトップに選んでいただいて、本当に嬉しかったです。

全国で一番の、まちかど厨房担当ですからね。すごいですよね。受賞して帰ってきて、お客様も喜ばれたんじゃないですか?

 それが、お客様には一切伝えていないんです(笑)。お客様から見たら、私が、この地域の代表として東京の大会に出場して、トップを取ったとかそういうのは関係ないかなって思って。もちろん東京で開催された全国大会でトップをいただいたってことは、すごく自分にとっての自信になりました。でも、それを出したからってお客様にとって、何かプラスがあるかっていったらそんなことはなくて。だったら、いつもと変わらずに厨房商品を丁寧に作って、お客様とお話してお薦めをして、っていうのが一番なんですよね、結局。

 お店のみんな、支店のみなさんには伝えましたが、正直、一緒に働くクルーにとっても、よく分からないことだと思うんですよね。でも、全国のみなさんの前で発表をして、その取り組みが評価されて自信がついたとともに、「もっと頑張ろう」という励みになったのは確かです。自分の中の知識が増えて自信につながれば、より多くのお客様に商品を楽しんでいただけますし、仕事が楽しいなっていう気持ちにもなれます。

 そういう気持ちがお客様に伝わって、プラスに働いていったらいいなとは思いますね。「一番だからスゴイ」ということを敢えて謳うこともないと。いつものお弁当作って、お客様と互いに元気になれる食事と接客を届けたい。そこは変わりなく、これからもそういうのがいいかなって。

無理に「一番の看板」は要らないと。先程、別のクルーの方が「グランドファンタジスタっていう看板はもちろん大事ですが、やっぱりうちの看板は人。加藤さんは看板娘です」って仰っていました。

看板娘、恥ずかしいですね(笑)。でも嬉しいです。

加藤さん、本日はありがとうございました。


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