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大事なのは目の前の人にどれだけ向き合えるか。ローソンらしさを追求したデザートづくりの舞台裏とは


株式会社ローソン ベーカリー・デザート部 マーチャンダイザー
白鳥瑞穂(しらとりみずほ)
高校生から7年間、ローソン店舗でアルバイトを経験。その後、クルー入社制度の1期生として2017年株式会社ローソンに入社。
店舗社員1年、店長1年、ASV(アシスタントスーパーバイザー)を半年経験した後、東北商品部にてベーカリー・デザートの企画開発を経験。2021年春より本社の商品本部ベーカリー・デザート部へ。現在は全国で販売するデザートの企画開発を担当。

愛される商品づくりの一歩は、どれだけ目の前の人に向き合えるか。

  現在の業務について教えて下さい。

商品本部 ベーカリー・デザート部という部署でチルド和洋菓子(=冷蔵の和洋スイーツ)を担当しています。
具体的には、作りたい商品の企画を考え、メーカーさんと一緒に原料や規格の相談をしながら商品を形にしていくという仕事です。

納得できる味・食感・風味が出るまで試作を何度も繰り返し、形になったところで部長プレゼンに挑みます。さらにメインとなる商品は社長プレゼンも行います。それらを通過してやっと実際の店舗に並ぶ商品となります。

  今年の3月までは、東北のエリア商品部でベーカリー・デザートの企画開発を担当されていたと聞きました。

商品本部は、全国で発売する商品の企画・開発をするのに対して、エリア商品部では、地域に寄り添った商品を企画開発する部署です。

私が東北にいたときは、多店舗経営をするマネジメントオーナー(※1)さんや営業部など各部署と連携し、東北各県の特色を取り入れた「どらもっち」(※2)を開発しました。

※1:マネジメントオーナー
地域に密着した多角経営を行い、ローソン本部と共に成長を目指す事業経営者としてより強うパートナーシップを持つローソン公式認定オーナーのこと。
※2:どらもっちについて

  全国商品とエリア商品では、企画内容や出来上がる商品にどのような違いがあるのでしょうか。

それぞれの地域では地元の特産品を盛り上げたい、食べてみたい!という傾向があり、それが商品にも反映されていました。

先にも話した「どらもっち」は元々全国販売している人気商品です。それを東北限定版として、地元のオーナーさんたちと一緒に「ずんだ」や「りんご」などの地元の特産を使って企画開発しました。熱意を持って取り組んでくださったのを覚えています。

  東北版「どらもっち」の開発では、どんな難しさがありましたか。

コスト面や、製造にも限界があったりと、企画をそのまま商品にするのは難しかったですね。しかし、オーナーさんそれぞれの想いを、なんとか形にしたいと何度も社内で打ち合わせては、メーカーさんへの交渉を繰り返しました。

その結果、自信を持っておすすめできる本当に美味しいデザートが完成したんです!特にずんだ味は予想以上の売れ行きで、SNSでも「全国発売してほしい!」とのお声もありました。オーナーさんやメーカーさんにとても喜んでいただき、踏ん張ってよかったなと.....。あの日の感動はこれから先もずっと大切にしていきたいですね。

当事者たちが想いを持った本気のものづくりを経験できたことは、とても良い経験になりました。愛される商品は、どれだけ目の前の人とその先のお客さまに向き合えるかで決まるんだなと勉強になりました。

ローソンらしさとは、売り場のワクワク感。エンターテインメントを感じられるコンビニへ。


  商品開発にあたり、流行はどの様に掴んでいますか。

話題になっているものがあれば、なぜ人気なのかを知るためにお店へ行き、どんなお客さまが来店されているか、注文の仕方、食べているときの表情まで観察します。そのあと部署に戻ってメンバーで話し合います。その繰り返しですね。最先端のものを積極的に取り入れることも、ローソンらしさの一つだと思っているので、自分で足を運んで感じることを重要視しています。

  ローソンらしさ、ですか。

私は、売り場のワクワク感がローソンのデザートらしさだと思っています。
日常で気軽に立ち寄るコンビニだからこそ、テーマパークのようなエンターテインメントを感じてもらいたいんです。

  入社前は、ローソンでアルバイトをしていたと聞きました。

高校1年生から大学4年までの7年間、ローソンのクルー(アルバイト)として働いていました。7年間って長いですよね。入社の前日まで働いていました。

卒業後はローソンで社員として働きたいと考えていたところ、オーナーさんから社員として入社できる制度を紹介いただきました。同期の中にも何人か同じ制度で入社した人もいるんですよ。

  アルバイト時代からローソンへの入社を考えていたのは、なにかきっかけがあったのでしょうか。

当時、オーナーさんにとてもお世話になったので、なにか「恩返し」ができないかとずっと考えていました。現場ならではの悩みをずっと聞いていたので、これからは社員の立場からオーナーさんを含めお店で働く皆さん、そしてお客さまを幸せにできないかと。

あとは、2009年に発売しロングセラー商品となっている「プレミアムロールケーキ」にも影響されていますね。新発売の当日、デザートの棚に「プレミアムロールケーキ」がびっしりと並び、圧巻だったのを覚えています。ローソンの商品は尖ったものが多く、チャレンジングな会社だなという印象もありました。

大切なのは目の前の仕事に向き合うこと


  入社当時から目標が明確だった白鳥さんですが、仕事をしていく中で大切にしてきたことはありますか。

常に「今」の仕事でお客さまやオーナーさんのために、という想いを大切に、ひたすら目の前のことを一生懸命やることを意識してきました。

もちろん未来のキャリアを考えることも大切ですが、そこを思い描きすぎてくすぶるよりも、今の仕事でしっかりと成果を出して多角的な視点を持つこと、経験を重ねることが一番の近道なのかなと。

今となってはアルバイトでの経験や、入社後には店長、ASV、エリア商品部と、さまざまな経験をし、そこに関わる多くの方々と一緒に仕事ができたことは自分の武器になりました。その経験を活かして、商品本部でもお客さまや店舗の気持ちを考えた仕事をしていきたいですね。

  働く中でやりがいを感じる瞬間を教えて下さい。

よくデザート売り場をウロウロするのですが、やはり、担当したデザートはどれも我が子のような感覚なんです。
なので、お客さまが開発した商品を手にとってくれたのを見ると、心の中でガッツポーズしちゃいますね(笑)。
あとは、やっぱり店舗からの発注数が上がると嬉しいですね。現場を一番知っているのはオーナーさん達なので、認められたような気がして。「もっと頑張ろう!」とモチベーションも上がります。

  最後に、これから挑戦したいことはありますか。

まずは、今携わっているデザート分野を極めたいと思っています。いずれは、他のカテゴリも経験をして幅広い商品知識を身に付けたいですね。そのためにも今は目の前のデザート開発にしっかりと向き合いたいと思います。