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お客様にも、働く人にも本音で向き合うことで、みんなが幸せなマチに

 全国にあるローソンのオーナー・クルーに、マチとご自身との関わりをインタビューする企画「#マチのほっとステーションをつくるひと」。
 
 今回は、大阪市内でローソンストア100・ローソンを合計8店舗経営するオーナー、西薗智恵子さんにインタビュー。ローソンストア100での4年間の修行を経て、その後4年半で8店舗のオーナーになった、西薗さんが最も大事にするコミュニケーションの秘訣を聞きました。


実家のお惣菜屋さんから、コンビニ修行を経てローソンストア100に

本日はよろしくお願いします。まずは、西薗さんがローソンストア100で働くようになった経緯を伺えますか?

 34歳まで両親の家業のお惣菜屋さんを手伝っていました。堺市のスーパーの一角でやっているお店で、一店舗だけの経営でした。その前に求人広告の仕事もしていたのですが、接客業はそれが初めてで。その後、結婚を機にパートタイムでの働き方にしようと思い、ローソンで働きはじめました。

ローソンというと、青い看板のローソンですか?ローソンストア100ではなく。

  そうです、青い看板のローソンで。実はその時、別のコンビニさんのアルバイトもしていて、二つのコンビニを掛け持ちしている状態でした(笑)。ローソンともう一店舗のアルバイトを続けていたのですが、どうしてもオーナーになりたくて。当時働いていたローソンのオーナーさんを見て、「私にもできるかも」と思ってオーナーを目指すことにしました。

では、最初はローソンのオーナーを目指していたのですね。

 そうですね。でも、ローソンは独立する時に、店舗専従者が2人以上で始めないといけなくて。それは私には難しい状況だったんですね。でも、ローソンストア100は、一人で独立できる仕組みもあって。オーナー独立を意識しながらローソンで2年アルバイトをした後、ローソンストア100の店舗を紹介していただき、店長として4年間チャレンジさせてもらい、独立しました。

ローソンからローソンストア100に移った時、戸惑いとかはなかったですか?

 全然違うなと思いましたね。ローソンストア100は、ローソンに比べて店舗で取り扱っている品数が多く、品物を運ぶのも大変で、いつも段ボールを持って動いています。品数は多いですが、その分、いろんなカテゴリーで自分の考えを入れながらチャレンジできるので、商売が好きな私には合っていましたね。好きなようにやらせていただきました。


4年間の武者修行で、コミュニケーションの大事さを再認識

最初に店長で働き始めたお店はどこだったのですか?

 この場所(取材場所:住之江御崎店)です。このお店は前のオーナーさんに譲っていただいたのですが、初めてのローソンストア100は、このお店での店長経験です。独立後はしばらく別の場所で経営して、前のオーナーさんが引退される時に、このお店を譲っていただきました。

店長になって苦労したことを教えてください。

 それまではレジしかやってこなかったアルバイトだったのに、急に発注から何から全部任せていただいて。その時、オーナーさんにはすごく怒られましたね(笑)。例えば、売場のメンテナンスがしっかりできていないとか。あと、私は発注数を積極的な数値で入れるんで、お客様には喜んでいただけているとは思うのですが、その分廃棄が多過ぎるって言われてしまったり、全体的に細かいところで全然追いつかなくて。悔しい気持ちはもちろんあったのですが、「なにくそ、負けるか!」の気持ちで毎日修行していました。

売場づくりで変わったことは何かありますか?

 新しいものは、どんどん採用して、どんどん品揃えしたいですね。あと季節柄も大事にしています。スーパーでやっているような季節柄の飾り物みたいなものもどんどん使って。来る度に同じようなお店だと、お客様も面白くないんじゃないかなと。来るたびに変化のあるお店にしたいです。でも、基本の商品はやっぱり置いておかないと不便になってしまうということもあるので、広いお店が好きですね。偶然ですが、広いお店が自分に合っているんだなと思いました。

接客での変化はありましたか?

 それまでは同じ大阪府内ですが、狭山市でアルバイトしていました。なので、一気にお客様の層が変わりましたし、接客も変わりましたね。狭山はずっと地元で暮らしてきたお客様が多くて、オーナーとも顔見知りみたいなのが多いのですが、こっちは団地とはいえ、単身の方も多くて、あまり地元感がない。地域の方々との間に関わりもなかったことから、お店の運営においてはちょっとした困りごともあったりして…。

困りごと、ですか?

 元気な声で挨拶されると嬉しいと思っていたんですが、例えば「いらっしゃいませの声が大きくて不快に感じる」とか、そういったようなお声をいただいたことがあるんです。そういう時は、接客業の基本としては、お客様に「すみません」って謝って、その場の気持ちを収めさせていただく、ということは分かっているのですが、どうしても私にはできなくて…(笑)。
 「ご来店いただいた感謝の気持ちを伝えたくて、一生懸命にご挨拶させていただいているのですが…」とこちらの気持ちもお伝えして、コミュニケーションを取るようにしています。ちゃんとコミュニケーションを取ってご説明すれば、お客様に分かってもらえますし、そういったお客様こそ、その後、本当によく通っていただけるようになります。

すごいですね。お申し出のあったお客様をファンに変えるというか。

 何かをお申し出をされるお客様って、お店に期待するものがあったり、そこまでじゃなくても、して欲しいことがあるんだと思うんですよね。先程のお客様であれば、普段、単身で暮らされているので、少し寂しい気持ちもあったりすると思うんです。そこに機械的に大きな声で挨拶されているのでは?と思うと、より苛立つ気持ちになってしまう。でも、ちゃんと心を込めていることもご理解いただき、私たちの人柄を知ってもらえば、そういうこともなくなる。ちゃんとコミュニケーションを取っていくことで、働く私たちも含め、お店のことを知ってもらって、ファンになってもらえるんじゃないかなと信じています。

 正直、そういうコミュニケーションを取ろうとすると、一人のお客様で30分とか、長い時間話させていただかないといけないんですよね。本来の小売業で言ったら、本当に非効率で。でも、勘違いされていたり、問題が解決しないまま、お互いにモヤモヤした気持ちでお帰りいただくのは嫌なので、お客様のお時間が許す限り、お話しさせていただこうと思っています。


複数店舗の経営で気が付いた、人の大切さ

今は何店舗くらい経営されているんですか?

 オーナーになって4年半になりますが、今はローソンストア100を6店舗、ローソンを2店舗、合計8店舗経営しています。

すごいスピードですね。半年ごとに出店しているというか。

 自分ではそうは思っていないですね。もともと複数店舗を経営したいと思っていましたし、最初の独立の時も、自分はシフト要員としては入らない。ということを決めて始めました。そうしないと、次の店舗のチャンスをいただいても、今ある店舗から自分が抜けられず、せっかくの機会を逃してしまうので。

先程、コミュニケーションを大事にされているということでしたが、現場に出ないと難しいのではないですか?

 シフトに入らないとはいえ、基本的にはお店で前面に立っています。お店の中のいろんなこと、気になって気になって仕方ないので、座っていられない(笑)。でも、自分がお店に出ていると、お店にいる子たちが、自分の考えをちゃんと理解してくれて、それを引き継いでくれる。そうすると安心してお店を任せられるし、ちゃんとお店にもファンがついてくれるんじゃないかと思っています。

背中で見せる、みたいな感じですか?率先して見本を見せるというか。

 もちろんそれも大事ですが、店内での、私も含めた従業員同士のコミュニケーションも大事にしています。店全体でコミュニケーション取ろうよっていうのが、私の一番大事にしていること。お店のメンバーが仲良く、まとまっていないと、気持ちがお客様に向かないので。お店全体が仲良く、コミュニケーションの輪ができていれば、一人卒業して、新しい人が入ってきても、その輪にしっかりと巻き込めるし、そこからお客様にも伝わっていくんです。

なるほど。最後に、今後チャレンジしたいことを聞かせてください。

 もともと、5店舗経営が目標でした。でも、5店舗が見えてきて「会社」にしたら、今度は社員の子たちがしっかりと暮らせるようにしなきゃと思って、目標を10店舗に変えました。で、今8店舗、もう10店舗目も見えてきた今、もっと待遇のいい会社にしてあげたいと思って目標を15店舗に変えました(笑)。こうやって目標に近づくと、自分でハードル上げてしまうんですよね。
 でも、働きがいのあるお店・会社で仲良く仕事をしていることが、きっとお客様への向き合いにも良い形で影響しているので、もっともっと、働いてよかったと思えるお店、会社づくりを目指して頑張りたいと思っています。

西薗さん、ありがとうございました。

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