見出し画像

自分が最後の砦と思うことの利点・コールセンター就業のススメ

適当な態度ではなく、責任ある対応をしている人の言葉には力があります。責任があるかどうかは自己の認識によって天と地ほどの差があります。考えることを放棄しない人に栄光はもたらされます。責任をもつことは覚悟を決めることです。覚悟を決めた人は重厚感があります。これには役職や雇用形態など関係ありません。風格となって本人を荘厳に飾ります。

コールセンターにあっては、オペレータが社の代表となって問合せ者と対峙します。敵対関係ではなく寄り添うこと、歩み寄る姿勢があるかないかでその企業の印象は大きく左右されます。もちろんアルバイトや契約社員、または派遣社員という立場でオペレータ業務に従事してもらっていることもあるでしょう。

しかし、プロの定義を考えるに"お金をもらったらそれはプロ"です。労働の対価がなく無償で従事してもらっている人に企業は偉そうなことは言えません。どのような雇用形態であれ、対価をもらって仕事に従事する限りはプロである自覚は必要です。雇用形態によってプロ意識に高低差があるとするならば職業人としては無責任です。もっといえばそれは逃げです。対顧客の観点でアルバイトだから、契約社員だから、派遣社員だから、というのは関係ありません。

たとえば建設現場の職人たちは、日雇いの方も多いです。その職人たちが"自分は日雇いだからいいかげんな仕事をしてもいい"と考えているでしょうか。きっと職人としての誇りをもって自分の仕事をしていることでしょう。わたしも若い頃はマンションの建設現場で足場にのぼって外壁の目地を塩酸で洗うという仕事をしていました。そのときの仲間たちは皆さん日雇いです。だからといっていいかげんな仕事をしていた人はみかけませんでした。職業に貴賎なしです。

企業の顔として雇用形態の別なく、責任ある対応と行動と言動がその人の風格となります。若いからといって問合せ者に舐められることもありますが、それは相手の問題です。毅然と対峙し、問合せの目的が達成されるよう最善を尽くすことにオペレータとしての仕事、スーパーバイザーとしての仕事、マネージャとしての仕事が輝きを増します。コールセンターに関与するすべての職位者が"自分が最後の砦"との気概で仕事に就くことがどれほど自己の成長につながることでしょうか。

何より周囲からの信頼が高まります。現代にあっては究極のホワイト社会に変貌を遂げようとしています。姑息な人間、卑怯な人間、嫉妬の人間は醜く嫌悪される時代です。顔は心の鏡です。どんなに隠そうとしても心は顔に出ます。歳を重ねれば重なるほど顔に出ます。顔は隠せても行動や言動、態度までは隠せません。結局、人は見た目で判断されるのです。

孔子いわく、
「驥(き)は其(そ)の力を称(しょう)せず
 其の徳を称するなり」
意味は、名馬とは速く走ったりする能力が高いから名馬なのではなく、風格があるからこそ名馬として称えられるのだ、ということです。

ややもすれば、コールセンターでの仕事はいくらでも他者へ責任転嫁して逃げ道だらけですが、自分が最後の砦だと思って仕事をすれば、その業務で単に造詣や経験を培えるだけでなく風格をも醸成することができる最高の職場なのです。若いからといって、コールセンター経験が浅いからといって諦めなくてもよい職場なのです。わたしが勤めている会社では20代で管理職になる人もいれば、50代の中途入社の方でオペレータ業務からはじめて2年程度で管理職になった人たちがいます。

彼ら彼女らに共通していることは、自ら責任をもち、自分が最後の砦と思うことで仕事に向き合っていたことです。管理職になること、出世することだけが仕事の醍醐味ではありません。しかし、環境的な自由と安心や経済的な負担軽減を手に入れるひとつの手段としては未だ有効なのです。

会社などの組織に所属しながら複業で好きな仕事で志を立てることは現代にあってもっともリスクヘッジされた働き方のひとつではないでしょうか。いずれにしても最後の砦は自分なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?