バター=バンタン。BUTTERから伝わる、BTSの気骨。
新曲BUTTERを聴いた時、「なんて楽しい!なんてかっこいいの!」という感覚ももちろん湧いてきたのだけど、それと同時に、
「あれ?これって。。。粋に、軽快に、、、、、ケンカ売ってる。。?」
と感じてしまい。
ポップでハッピーなダンスチューンなのだから、ケンカ要素はないはずだけど、得体の知れない緊迫感、なにか理由のない「ただ事ではないぞ」感がムンムンと放出されているように感じて、私の中の脳内ハテナが一斉に緊急発動。
故に1日中聴きながら、刻々とアップされていく新しいパフォーマンスを観ながら思いの糸をたぐり寄せて、「なぜケンカ?」のその先に進み、数日後、もしかしたらこれかも、というところに辿り着きました。
ウエストサイドストーリー。
小さな頃から何度も見ている大好きなミュージカルです。バーンスタインが作曲をし、アメリカにおける青春ミュージカルの金字塔ともなった作品で、白人系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人の抗争が物語の基軸となっている、という今更こういった注釈めいたものを挟み込む必要などない有名な作品だけれど、敢えてはさませてください、伝えたいこの気持ち届けnote経由。
それで、偶然かもしれないのですが、このミュージカル映画と構図がよく似ているんです。
序盤の、ライバル同士の出会いの部分。
闘争心がだんだんと高まっていく部分。
大好きな2つだから、私が勝手に合わせて乗っけてしまっているだけだろうかな。サーモンイクラ丼的な。。
また、もしかしたらそれは、1ファンとして感じていた、グラミーでの、ある種の燻り(くすぶり)のようなものがそう感じさせていたのかもしれないし、
BTSが出したアジアンヘイトへの公式表明が影響して、脳内で勝手に繋ぎ合わせた類似点なのかもしれません。
そして更に言えば、今回のダンスは(ダンスに関しては全くの門外漢なのだけれども)、フォーメーションがとてもタイトな印象があって、何か気迫のようなものさえ感じられ、その印象が様々な要素と合わさって、緊迫感、ひいては「あれ?ケンカ?」と、あまりにも安直な感想がポロリ出てしまったのかもしれません。
BTSのみなさんは「特別なメッセージはなく、みなさんにクールなサマーソングをお届けしたくて作った」と、そう仰ってました。確かにそうだ。クールなサマーソングで、げんに私も毎日小躍りしながら楽しく歌ってます。
でもこれは、、
ただのハッピーチューンではない気がする。。。
そんなことを思っていた時に、@luv_musik_さんの神和訳ブログ降誕。ありがたい。ありがたいしかないです。
そして、@luv_musik_さんのおかげで、BUTTERの根底に流れるBTSの気骨のようなものを、もちろん私のごく私的な感覚ではあるけど、ようやくクリアに味わえたような気がします。以下、@luv_musik_さんのブログから引用させていただきました。
“Cool shade stunner”
いけてる見た目のこの超絶な魅力
直訳はかっこいい姿の驚異的に魅力的な人(自分)という意味だそう。
ちなみにサングラスのことを(cool)shadeというのだそうです。
「いけてるサングラスをかけた生かした見た目の超魅力的な人」という意味で、まさにテテにぴったり。
Yeah I owe it all to my mother.
そうさ すべて母さん譲り
母のおかげでこの見た目、ということ、つまり自分のルーツへの誇りと自信、ということですね。
Break it down
甘く見るなよ
Break it downはたくさんの意味があるそうで、ここでは、「ナメんな」という意味と「踊ろう」という意味、ダブルミーニングと取れる、と。
これを知った時震えましたねーー。ユンギがこれを言っているということもダブルでしびれます。
Don't need no Usher
道案内なんかいらない
To remind me you got it bad
君が僕に夢中でいてくれてること
忘れるわけないだろ
Usherは一般的には道案内という意味だそう。
アメリカのラッパーUsherのU Got it Badを引用して構成されている箇所だそうで、このUsherに反応していた海外の方、多かったように思います。
No ice on my wrist
高価な飾りなんてつけない
ice on one's wristで高価な時計やブレスレットを身につけた様子を表すのだそうです。転じて成功したことを強調する意味。
そしてなんと、ヒップホップで相手を威圧する時に使われる表現なのだそう。
そこに否定のnoがつくわけなので、相手を威圧する方法は使わない、という意味も含まれるのでしょうか。
I'm that n-ice guy
俺はそんな飾り気なしのいい男
niceと前述のno iceをかけた言葉遊びだそう。
ックーーーーーー。知ると知らないとではリリックの魅力断然変わってきますね。
そして、、、、the 気骨。
↓
Hate us
Love us
俺らをヘイトしな
俺らにハマりな
どっちも大歓迎だ、ということ。と。
なんという。。。。。
なんというかっこよさ。
これはダンスチューンよりもむしろ、曲の真髄としてはラップバトルに近いのではないか、いや、むしろそんな領域そのものも軽く乗り越えてしまって、もはやラップバトルですらないのかもしれない、アイドルではなく、同時にアイドルであって、ポップスではなく同時にポップスであり、ヒップホップでありながら、それと同時にヒップホップの壁をはるか高く越えてしまった、もうなんだか有り体のスタイルが完全に瓦解し、ジャンル越えしてしまった、それはもうBTSである、としか言えないような、そんな音楽が今まで以上に強烈に完成したんじゃないか!
ここまで無呼吸で考え進めて、クハっと酸素を注入し、
ああ、だから。だから。
かっこいい。もう、かっこいいが過ぎる。かっこいいでしかない。
かっこいい。以上。なんです。
転石苔むさず。
A rolling stone gathers no moss.
むさないー。もう、むすはずがない。
なんてことだ。生きるって大変で、大変でかっこいい。
2021年5月。
今日もBUTTERを聞きながら、犬の粗相の処理をし、大雨に濡れてビッショビショの娘をお風呂に入れ、あっという間に夕飯を作る時間、他の生命体の世話ばっかり!年中休みなし!母さんも母さんで立派なローリングストーンです。
Get it, let it roll !
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追記:ケビンさんの考察動画も面白かったです!この歌詞はネイティブでも理解が難しいそう。幾重にもそしてどのようにでも理解できる多重構造になっていそうだなあと改めて思いました。
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