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電気代が高くなったことを実感した〜肩を張らずにフランス140

 数年前に « EDF »フランスの電電公社が契約者の家屋ごとに « Linky »という箱を据え付けていった。スマホアプリで消費kWhも料金も15分ごとに閲覧できるという代物。年間消費から前年の同じ月との比較までできる。

 うちは前住者の契約を引き継ぎ、年間を3つのカラーで料金分けする « Tempo »という割安なシステムをとっている。
 青、白、赤の料金帯に加えて深夜料金も含まれるので6つの料金が適応される。
 大雑把に言うと、赤の昼料金以外は似たり寄ったり。青と白の違いは誤差に近い。とは言え白の方が高いのがわかっていてオーブンとか乾燥機とかを使うほどヤボなことはしない。その結果、青と白の支払い料金にはほとんど違いがない。

 問題は赤の昼間。朝の6時から夜22時までは青料金のなんと5倍する!11月から3月末までの間に22日設定され、前日にならないと翌日の色はわからない。この日に当たると電気は極力使わないようにする。大型の機械はもちろんトースターも乱用しない。赤の設定は電気消費量がピークになる予想に基づいている。十分注意すると青の4倍くらいで抑えられる。これが限度。

 今年は電気代の高騰が年頭から問題になっていた。電気ヒーターがメーンの家庭ではかなり家計に響いていることだろう。10%の値上げはこの4年ほど続いた値上げに追い打ちをかけた。ある資料によると

 « Le prix de l'électricité est en constante augmentation depuis 2020. En l'espace de 4 ans, le montant de la facture d'électricité est passé de 1312€ à 2080€, soit une augmentation de 58,14% entre 2020 et 2024. Les hausses se sont accélérées depuis 2022 avec la crise sur les marchés de l'énergie. »

とある。とんでもない値上げ幅だ。(訳すのが面倒なのでGoogle翻訳でもどうぞ)

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 今年もあと3週間ほど。年間の最終的な消費量が見えてきた。

 わかりやすい数字で説明すると、我が家の場合去年5000kWh消費し、1000ユーロ払った。今年はと言うと4000kWhで900ユーロになりそうだ。
 消費電力が2割減ったのに対し支払い料金は1割しか減っていない。思わず「どゆこと?」と首を傾げてしまった。どんぶり勘定で100ユーロ去年より多く払ったことになる。流石にこれには驚いた。

 ちなみにうちは標準的な同等の家庭(家の広さ、家庭内人数、使用電化製品、周囲の環境など)の半分以下しか電気を消費していないらしい。これはアプリの統計が示す結果なのであまり当てにならないが目安にはなる。こんな小消費家庭ですら去年比でこれだけの差が出ている。大消費家庭なんかでは推して知るべしだ。

 かつてはEDF独占だったが今は他企業も市場参戦している。面倒なのでうちはEDFのままだがTempoシシテムは料金的に十分競合できるものらしい。変えなくてもいいんならやっぱり本家本元のほうが安心できる、というわけで変えるつもりもない。

 一年に22日だけ我慢すればいい。

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