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1日目埼玉→東京〜肩を張らずにフランス(日本編第8回)

昔は埼玉といえば上野から高崎線だった。今もそれは間違っていない。今度は東京駅から直接埼玉へ向かっていく。乗り継ぎ移動がないのはありがたい。

熊谷を過ぎたあたりから高い建物がなくなり農地も多くなる。東京からほんの1時間ほどですっかり郊外の風景になる。田畑の割合が一気に上がるのでいよいよ平坦な印象が強くなった。

駅でいとこと落ち合った。その人とわかるのにそれほど苦労はしなかった。50年経っていても顔が変わったと言う印象はなかった。違いといえば背の丈。当時は大きく見えていたのが「えっこんなに小さかった?」とびっくりした。当たり前のことで、こちらはまだ小学生、あちらは中学生だったから、良くても同じ高さの目線。今では頭ひとつ以上上から見下ろすことになっていた。

昔泊まった家の面影は残っていた。今は住まれていない。中と外とを一回り。ここに寝転んでいたとかここに何とかがあったとか、色々頭に浮かんでくる。数は多くない。それでも鮮明なイメージで残っている。

お昼は名物の煮ぼうとう。きしめんの倍以上の幅の麺をぐつぐつと煮込んだ鍋。パスタでもここまでゴッツイ麺は食べたことがなかったかも?

その後、現在住んでいる自宅に移動し、お茶をすすった。音楽の先生だったので共通の話題には事欠かず、あっという間に時間が過ぎた。

晩に別の約束があったので遅くならないうちに失礼し、電車で池袋まで戻った。

会ってみると最初にフランスから電話した硬さなんかいっぺんに無くなり、打ち解けた時間が過ごせて「無理にでも連絡を取ってよかった」と思え、ホッとした。

残りの人生でまた会う機会があるかはわからない。

少なくとも今回の訪問が思い出アルバムの一ページに加わった。


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