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流した水はどこへ行く?(その2)〜肩を張らずにフランス68

解決策は2つ。

一つ目はうちの両親宅のように浄化槽 « fosse septique »を設置すること。広い土地を必要としないので現在最も一般的に採用されているシステムだろう。200m先の隣人が丘の上に住んでいて、最近浄化槽を設置したと言っていた。ただこの浄化槽には固形物も含めて水も溜まっていく。汲み取り業者が年に1-2回はきているはず。

« fosse septique »

二つ目はうちにあるシステム。 « fosse toutes eaux »という。

このシステムはかなり広くて何も植えられていない土地が必要なので徐々に浄化槽システムに取って代わられている。

まず浄化槽がある。ここで固形物がブロックされ、水分だけが次のステップに進む。その先にも第2フィルターがあり、細かな異物も取り除かれる。「きれい」になった水はいくつもに枝分かれした排水ドレイン?で自然界に放出される。

« fosse toutes eaux »

濾過された水分は自然界に放出されるので、業者を呼ぶのは4年に1回で済む。固形物などが溜まった浄化槽をきれいにしてもらう。

これだけ聞くと利点しか無いようだが、自分自身で第2フィルターを毎年洗い流す必要がある。「肥溜めに手を突っ込む」ほどではないにせよ、ドレインが目詰まりしないためには汚いとか言ってられない。

手前の黒いのが第2フィルター

実は20年前このドレインが機能しなくなり、新しくやり直さざるをえなかった。古いドレインは物干しの左側にあった。文字通り目詰まりで完全に放棄した。写真に見えるようにショベルカーで掘り起こし管を通す。敷地が森にひっついており土地がゆるい下り坂になっているので自然に水が流れてくる。

この工事のため生えていた木を2本切り倒した

ここに4本、それぞれが10メートルほどのドレインが埋められた。こうしてみるとものすごい工事に見えるが、やっていることは至ってシンプル。これだけの作業を業者の人は一人でやってしまった。

               ***

正直言って前時代の生活をしているように思うことがある。日本に残っていたら気に止めることがなかっだろうことも知ることになる。

逆に言うと自宅内で起こることは何から何まで把握している。自分自身でなんとかできることとできないことが分かっている。だから何があってもパニックになることはない。ただし去年のヒーティングの事故なんかは例外。ひょっとすると大火事になっていたので思いっきり肝を冷やした。

なんだかんだ言いながら今の家に25年近く住んでいる。自分で手を加えなかった場所がないくらいで、確かな愛着がある。体が動かなくなるまで住んでいたいものだ。


追記

濁って見えるのは目のせい???

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