パサパサだね。
コロナウイルス騒動のせいで欠かせなくなった、アルコール消毒液。
毎日何度も手にこすりつけているもんだから、皮膚がもうカッサカサ。
そんな私の手をみて日系フランス人が一言。
「かわいそうにー、すごくパサパサだね。」
パサパサ…
擬音語のことをフランス語では「オノマトペ」というのですが、日本語のオノマトペは難解なもよう。
確かに、乾燥している状態を指して「パサパサ」というのは正しいのだけど、じゃあなんで、肌はパサパサじゃなくて「カサカサ」なんだ?
面と向かって尋ねられると答えに窮する。なんでやろね?
とりあえず、食べ物には「パサパサ」、それ以外には「カサカサ」、使っといたらええんちゃう?と適当なアドバイスをしてしまった。(ごめん)
数日後。ケータリングで届いた寿司の、シャリもネタも乾いてしまっているのを指摘して、件の友人が一言。
「ごはんもサカナも、パサパサだよ」
うーん。なんかピンとこない。正しいはずなのに、何かが違う。
たぶんここでは、「パサパサ」より「カピカピ」のほうが適している。
(欲を言えば、「ごはん⇒シャリ」「サカナ⇒ネタ」でもある。)
しかしこの日の私は、「パサパサ」と「カピカピ」の違いを説明する元気も、「シャリ」と「ネタ」という新ワードを授ける親切心も持ち合わせていなかった。
改めて考えると、日本語は「触感・食感」を表現するための表現が豊かであるように感じる。それだけ豊かな「触感・食感」に囲まれて生きているということだろうか。
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