見出し画像

#1 MAIDEN & SPELL

今回紹介するゲームは『MAIDEN & SPELL』(メイデン アンド スペル)です。

前置き

まず、なぜ感想文を書くのか。
基本的には「これを読んだ誰かの、このゲームをやるきっかけになれたらいいな」と思って書いているよ。はてなブログで書いてた時代もそれは変わらない。もちろん単純に「このゲームはいいぞ!」と、140字以上で叫びたい時も書いてます。

というわけで、今回も出来るだけゲームの魅力が伝わるようにがんばります。

『MAIDEN & SPELL』って、どんなゲーム?

とりあえずはこれを見てくれ。興味が出たらそのまま記事を読んでくれると嬉しい。

この記事で紹介するためだけに撮影した、ノーマルモード1面を普通にプレイした動画です。見たとおり、1面はチュートリアル的に進むのでシステムがすぐ理解できるようになっている。

「対戦型弾幕シューティング」と呼べば大体伝わるかな。

現在はSteamでのみリリースされているインディーズタイトル。7月10日までは30%オフのセールだぞ!全人類いま買おう。ついでにサントラも買え、買ってください。

公式サイト(英語)はこちら。


ゲームは1vs1の固定画面で進行する対戦型シューティングで、どちらかというとマイナーなジャンルかもしれない。商業作品では『旋光の輪舞』とかを思い浮かべるといい。分からない人はググって、良いゲームだから。
なおレビューなどでは、開発者自身が某弾幕シューティング作品にインスパイアされたと語っているらしいのでそれはまあ、そうかもしれない。ゲームに登場するキャラクターは全て女の子です。

色々付随するものはあれど原則シューティングゲームなので、相手の弾を避けて撃って、自分より先に相手のライフを減らせば勝ちというごく単純なルールだと分かればOKだよ。

ゲームのルール

先に書いたとおり基本ルールは世に数あるシューティングゲームと同様なのだが、このゲーム特有のものはこちらにまとめる。

●ライフ制かつ残機有り
プレイヤーは開始時4つのライフを持ってスタートし、ライフがゼロになると残機を失う。残機を3回失うとゲームオーバー。敵(ボス)のライフ数と残機はステージによって変動する。対戦(対人)ではたぶんプレイヤー同士同じ条件のはず。

つまり、ストーリーモード(後述)であれば1ステージ中最大12回被弾が出来ると考えると、そんなに難しくなさそうに思えてきませんか?(厳密にはもっと多く被弾できるがここでは割愛)

●自機は4人
ストーリーモードでは4人+α、対戦モードでは8人のキャラがプレイアブル。どのキャラクターも名前を含め個性的で、テーマカラーがあるので覚えやすく、しかも全員魔法少女。可愛い。

●攻撃方法は4ボタン
自機の魔法(ショット)は全キャラクター共通で、自機狙い自機外し(ばらまき)、特殊弾防御(回避)の4タイプ4ボタン。一部長押し有。この4つを使い分けて相手のライフを削っていくよ。なお各魔法にはリキャストのある魔法もある。
大体の場合は、全方位のばらまきで牽制しつつ自機狙い弾を撃ち、合間に特殊弾で行動、決め打ちで防御(回避)という感じで、リキャスト中に動き回るだけにならないように立ち回るのが基本動作になる。ただし、ストーリーモードの対マグナス戦(後述)ではDPS重視のため威力の高い自機狙い弾をできるだけ多く撃つ戦法も重要になってくる。

各ゲームモード

●ストーリーモード
このゲームのメインコンテンツ。任意のキャラで、難易度を選んでスタートする。

画像1

画像2

初期状態はこの2人。それぞれラストステージをクリアしエンディングを見ると新たなキャラがアンロックされる。4キャラ×6ステージ+エクストラステージ×2がストーリーモードでは遊べるよ。

原則1vs1で進行するスタイルはどのキャラクターも共通だが、選択したキャラによって出現する敵キャラクターおよび幕間の掛け合いは全て異なっている。もちろん自機性能も違うので、キャラクター毎に全く別のゲームとして楽しめるぞ。
敵のライフ表記がゼロになると「マグナスアタック」を仕掛けてくる。東方シリーズでいうスペルカードのようなもので、ステージによって使われる枚数は違う。

画像6

マグナス戦では敵キャラにHPが設定されていて、全て削り切ると次の攻撃に移行する。このスクショの画面右上「2133」という数値がHP。なお見辛いが、自機の右方向にうっすら「ENEMY 〇%」という表示があるので、敵の残HPの目安にすると弾避けに集中しやすいぞ。
時間切れはないので、地道に避けていれば勝てる難易度に調整されている。一部、「あと〇〇秒」と表示されて回避不可攻撃を仕掛けてくるギミックもある。そのため、最初に書いたように対マグナス戦では1vs1とはまた違った立ち回りが必要になる。
具体的には、ひたすら高密度の自機狙い弾を撃ちまくる。連打する。加えて自機によっては防御・回避魔法にダメージ付のものがあるのでそれも活用していく。立ち止まれない場面では、自機外し弾も併用する。とにかく攻撃の手を止めないようにする。
実は「宮廷呪術師」の1面チュートリアルラストで時間切れ攻撃が登場するので、その辺を理解するのにうってつけ。

一つ残念なのは、プレイヤー側がマグナスを使用できない点。これは後述する対人戦のプレイ感覚にも繋がるものだが、1vs1の撃ち合いは、操作がシンプルな分単調になってしまいがち。要するに我慢比べをできた者勝ちなのである。某ニュースサイトのレビューでも触れられてましたね。

という感じで、ストーリーモードでは通常弾幕+マグナス戦で敵の攻撃パターンが1セット消化となり、また次の攻撃パターンへ進み、数セット破るとステージクリア。この辺も東方シリーズのボス戦をイメージすると分かりやすい。
マグナスという弾幕戦があってあんまり1vs1の場面が多くないせいか、個人的には、ストーリーモードに限っては普通に弾幕シューティングをプレイしてる感じでした。

そうだ、難易度の話。
各キャラ4パターンの難易度があって、一番気軽なのがキュートモード。いわゆるコンティニュー無制限なので必ずエンディングを見ることができるぞ、シューティング苦手な人におすすめ。ゲーム慣れしてる人はノーマルモードから触ってみよう。「お、危ない危ない」と数度ヒンヤリしつつ遊べるぞ。手応えを感じたければハードモード。そこそこ難しく、パーフェクトクリアを目指すには熟練した立ち回りが必要になる。アケシューの1CCや東方のLunaticを難なくこなせる人向けには超ハードモード。ハード以上の腕前とリトライが要求されることでしょう。
なお自分は、今はハードモードのエクストラステージを練習中。

●対戦モード
対COM、対プレイヤー、トレーニング(いわゆるトレモ)を選択できる。ここでの対人戦は、いわゆるローカル対戦。ご自宅でご家族やお友達と一緒に遊んでみよう。気軽に言ってくれるなあ。

●ネットワークモード
いわゆるネット対戦モード。このゲームのメインコンテンツのもう片方。

画像3

なんとロビー機能がある。もちろんグローバル対応しているので世界中のプレイヤーといつでも対戦できるぞ!
・・・というのは冗談ですが、実際、一つ二つ部屋が立っているのは良く見かける。発売からまだそんなに時間が経っていないとはいえ、この手のインディーズゲームにしては人がいると言えるんじゃないかな。あと、開発者がついったーで言っていたが「Discordのコミュニティで対戦が活発ですよ!」とのこと。気軽に言ってくれるなあ。

画像4

ロビーに入るとこんな感じ。アバターを操作して部屋内にいる人と適当にマッチングして遊ぶことができる。名前・アバターは自由に設定できて、自身の腕前を「初心者」「中級者」「玄人級」と自称することができる。ただし対戦ゲームによくあるランクマッチは存在しない。
スクショの「新顔」は自分です。プロフィール情報のデフォルト状態の名前。
ちなみに、この時試しに戦ってみた人はオレンジのアイコン(名前の横につく記号)・・・つまり中級者ですね。ボコボコに3タテされて帰ってきました。でも気軽に遊べて面白いね。

●エキストラモード

画像5

音楽を聴けたりオマケのアートギャラリーを眺めるとかスコアや記録を見るおなじみのモード。
上から3つ目にしれっと入っている「真・マグナス」とは、ストーリーモードでのマグナス戦を更に高難易度にしたもの。要するにエンドコンテンツなので初見時は秒殺される(された)ぞ。ストーリーモードの最高難易度・超ハードモードも軽くいなせて物足りないなーって人が手を出すやつです。なお1つクリア又は全てクリアで解除できる実績があるが、取得率数パーセントのレア実績。本当に難しいっぽい。

キャラクターと世界観がいいぞ

本作のキャラクターたちは皆個性的で面白くてカワイイ。立ち絵はもとより、プレイ中にデフォルメキャラが弾を撃つたびにクルクル回ってるのがかわいいぞ。

画像7

まずはプレイヤーキャラの冒険者4人。
「氷結王国の英雄」(英雄ちゃん)は、実直な物理属性の騎士子ちゃん。強力な集中ショットと、ダッシュ(回避付のドッジロール)やスタンを駆使してフィールドを駆け巡るぞ。前向きで仲間想いの素直な子。しれっと黄金をお土産にするあたりちゃっかり者カワイイ。
「宮廷呪術士」(呪術士ちゃん)は氷結王国の女王に仕える魔法使いちゃん。とある本で見つけた宝石を調査するため冒険者たちを呼び集めた、いわば本作の主犯。自機から放つ弾速は遅いものの大きな円形弾を敵頭上に落とす特殊魔法が強力。遠距離戦主体の子。ちなみに眼帯の左右は絵によってブレがあるぞ。カワイイ。(筆者のイチ押しキャラです)
「赤の幽霊」(幽霊ちゃん)は、かつて冒険者たちと敵対していたシーフちゃん。クールな出で立ちから放たれる矢弾はそこそこの速さでこちらを狙ってくる。赤くばらまく目くらまし弾にも注意だ。一定時間姿を消す回避魔法を持っているぞ。ぶっきらぼうカワイイ。
「砂の聖鳥」(聖鳥ちゃん)は砂の王国からやってきたプリーストちゃん。冒険者一行をサポートするヒーラー・・・と言いつつやってくる攻撃パターンはそれなりに凶悪。特に自機狙いの大円弾で動きを制限され、後からくる広範囲の交差弾で仕留められるコンボがキツい。他の冒険者に対し、何やら色々と秘密を隠しているようだが・・・。なお秘密とやらは本作中では明かされないので本当に秘密。おっとりしてそうでそこそこ元気。カワイイ。

ストーリーモードでは以上の4人が「星の王国」と呼ばれる世界でもっとも危険なダンジョンに赴くという話になっている。それぞれ個性が強いせいかいつのまにか4人はバラバラに行動し、その先で出会うモンスターたちをいなしつつダンジョンの奥へと進んでゆく。

ストーリー中で相対するのが以下のモンスターの女の子4人。ちなみに対戦モードでは彼女たちもプレイアブルキャラクターとして使用できるぞ。

画像8

「黒龍の娘」ちゃん。いわゆるラスボス(最終ステージ、という意味ではない)。自称星の王国の女王。情熱的で臣下想い、または好戦的な子。自機狙いのレーザー攻撃が特徴的で、集中・拡散ともにバランスの良い攻撃手段を持っている。
「魔花姫」ちゃん。自称リッチ、という新入りモンスター臣下ちゃん。だけど骸骨とかは怖いのでお花とかを散りばめました、とのこと。かわいいね。他のモンスターちゃんたちに愛される妹キャラ的な立ち位置。全画面にばらまかれる青弾と自機中心の広範囲攻撃は、まさに煌めく花びらのよう。
「深淵怪」ちゃん。あまり戦うのは好きじゃない、しぶしぶ命令に従っているというおっとりしたモンスター子ちゃん。黒龍の娘ちゃんの長年の友人だとか。緑色の物体はヒドラヘッド。弾幕は遅いが、大きめの範囲弾とヒドラの突進を組み合わせた攻撃で圧倒される。
「雷獣」ちゃん。人間嫌いで人間を見つけると問答無用で攻撃を仕掛けてくる子。とにかく速さこそが正義。バトルでは分身を出して高速の雷弾を連発してくるぞ。あまりの速さで姿すら見えない。破壊と暴力を楽しむサイコパス。頭の耳はうさぎ耳らしい。

ダンジョン最奥にある宝石とは? その力の秘密は? 本当に賢者の石なのか? 彼女たち冒険者の別のエピソードは無いのか? 聖鳥ちゃんの過去話は? モンスターが全て女の子なのはなぜなのか? 開発者の趣味なのか? 謎は尽きない・・・呪術士ちゃん・・・いいこだね・・・。

この手の色々と含みのあるストーリー手法とキャラクターの書き方はまさに例のシリーズに近いと言える。同作者さんの続作とかスピンアウトとかを期待したくなりますね。

曲もいいぞ

別途見出しを立てたのは曲を1つずつ紹介したいからです、オラー!

1. メインテーマ
タイトル・メニュー画面で流れる曲。STGらしからぬ、落ち着いて優しいイメージ。耳を休めたいときに。癒されたいときに。

2. ブレイブイベント
デモシーンの曲その1。ちなみに本作は日本語がデフォルトで選べるが、和訳の質はお世辞にも良いとは言えない。とはいえ言いたいことは伝わるし、急に「説明不要、な!」とか言い出しても「かわいいね・・・」ってなるので問題ない大丈夫です。

3. 地下都の水道塔
ステージ1BGM。軽快なピアノでスタートする楽曲で、旅の始まりを予感させる。そういえば作曲者の方かどこかのレビューか忘れたが、RPGのようなドラマチック性をイメージして作曲したとかいうエピソードがあった気がします。個人的にこのゲームで1、2番目くらい好きな曲。

4. ライトイベント
デモシーンその2。どちらかというとコミカルなやり取りの背景で鳴ってる曲。雷獣ちゃんとか深淵怪ちゃんに似合うイメージ。

5. 逆さの絵画
2面。自称星の王国女王が言うには、呪われた絵画を逆さまに回して天地が逆になった世界にした、とのことだけど背景を見てもいまいち分からない。部下の休憩所らしいのでたぶんそういう曲。

6. 輝きの都
3面。体験版のラストステージのためか、静かなイントロから静かに盛り上がっていくハイテンポな曲調で楽しい曲。この辺からちょっと手ごわいぞ、というメッセージを感じる曲。1面の次に好き。

7. 永遠の薇発条
4面。ザ、ステージ4って感じの若干中だるみを含みつつ気を抜いたらやられるって感じで緊張もする曲です。ちなみに「薇発条」はゼンマイバネと読むそうです、ステージ背景がそんな感じだもんね。この漢字初めて知った。ありがとうメイスぺ(勝手に付けた略称)。

8. ダークイベント
デモ3。黒幕登場、みたいな曲調。何らかの思惑を感じつつも闘いは避けられない・・・人は闘争を求める・・・というイメージ。でもキャラはかわいいそのギャップ。

9. 小雨の図書館
ステージ5。ここまでとは打って変わったピアノ主体の落ち着いたメロディながら、敵の弾幕の激しさは本当に小雨なのか?と問い詰めたくなる一曲。でもラス面一つ手前にこういった曲を持ってくるのもセンスがあるよね。冒険者は数々の妨害、足止め、説得をも乗り越え最奥へと進まなければならない。という決意を感じさせる曲。

10. 宝石箱
ついにたどり着いたステージ6。誰が待ち構えていようと、その「石」は。「宝石」は、何を語り掛け何を問うのか。いわゆる決戦の曲。その最後の障害を除き、冒険者はいま”真実”にたどり着かんとする・・・。なんでポエム入った?

11. メイデン・アンダー・スペル
エキストラステージその1。こちらもある意味決戦。重厚なコーラスが中心の前半からの急加速する後半のハードロック調がメチャクチャ盛り上がる良曲。ステージ中、曲が転調すると自機の弾の色が変わる演出が入るけど特に威力とかは変わらないみたい。でもカッコいいね。「絶対にアイツを止めて見せる・・・!」という主人公の強い意志(愛情)を感じる。ちくしょう、付き合わなくていいから二人で幸せになってくれ! だからなんでポエム入れた?

12. エキストラステージ
エキストラステージその2。真の決戦。メイスぺ頂上決戦。その割にはポップでキュートかつメロディアスでちょうたのしい!ってなる曲調なのがまた良い。(※語彙がなくて知ってる単語並べただけ) ストーリー的にはそれこそオマケに近いんだけど、プレイヤーからしたら「え?そっち!?!?」って言いたくなる展開なので、これは是非ゲームを購入した皆さんに楽しんでほしいです。
ちなみにこのステージの超ハードモードのプレイ動画を眺めた限りでは、筆者のような凡人には10年早い感じがしました。

13. エンディング
ストーリーモードクリア時のデモシーン曲。ひとまずの閉幕。疑問は残るものの、まあここらで御暇しますかね。って感じになる。ちなみにデモシーン後にスコアリザルトが出て記録される。逆に言えばクリアしない限りスコアは残りません。

14. 閉幕
真の閉幕。たぶん真エンド的な曲。聞いた覚えがないけど、エクストラクリア時に流れたっけ? 検証したいけどもう一度アレをクリアできるのか・・・凡人のこのオレに・・・?ってなる。

15. 君を待つ
その名のとおりネット対戦モードのロビー画面の曲。負けてワカらされた後に聴く、一滴の清涼剤。

16. 真・マグナス
エキストラメニューから挑戦できる真・マグナス戦の曲。まじむり。まじ秒殺される。非人類のための曲。

どういう人向けか

いかがでしたか? 興味は持っていただけたでしょうか?

結局このゲームをおすすめできるのは「(※見た目が)カジュアルなゲームが好き」「かわいい女の子がいると尚よい」「シューティングもちょっと手を出してみたい」「曲が良いゲームをやりたい」という方々になるかもしれません。もちろん、元からシューティングを嗜んでおられる方なら猶更おすすめです。

特に「曲が良い」にピンときた方には非常におすすめです。
でもどんな曲か分からないし・・・なんかここにはポエムみたいな意味不明な紹介しかないし・・・と思ったそこの君! なんと作曲者様がご厚意でSoundCloudに全曲視聴可能にしてくれているぞ!

まじで1面だけでいいから聴いてほしい。良いと思えたら、是非サマーセールの今のうちにカートへどうぞ。

勢いだけで7000字強書いてしまいましたが、対戦とか苦手でっていうなら気軽にストーリーだけプレイしても満足度が高いゲームだと思います。自分もどちらかというとそのつもりで気軽に買いました。
体験版もあるのでまずはそちらを試してみるといいよ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?