見出し画像

初任時代の映像を振り返る⑥

前回は教師の根幹に関わる「姿勢」について記事を書いた。

今回は子どもたちにパワーを与える際に非常に大切になってくるスキルだ。

今日は「立ち位置」について述べてゆく。


1.立ち位置はスキルである

「立ち位置」はスキルである。

どこに立つかで、発問・指示・目線全ての子どもへの伝わり方が変わってくる。

これは実感しないとわからない。

私が初任時代の映像を振り返ると、以下のスキル不足がわかる。

・あちこち動いている

・教室の中央に移動していない

・すぐに教卓へ移動する

・机間指導ならず机間散歩になっている

などだ。

そんな私があるセミナーで講師に言われた一言がこれだ。

「掲示物やスマホに負けんじゃねえ。立ち位置からもうオーラを出さないと!」

教師は意図を持って立ち位置を変える必要がある。

ここなら子どもが見やすい。

Aくんは発表する人を見ていないから、そばに行こう。

発表する人の顔が見えるように移動しよう。

様々な意図がないと立ち位置はうやむやになり子どもたちが気になり始める教師の勝手な自由行動となる。

意図を持ちながら立ち位置を変える=スキル

である。

2.無意識ほど怖い

映像を振り返ると無意識とはどこまでも恐ろしい。

ふらふらとあっちへ行き、こっちへ行く自分の姿が画面に映る。

子どもたちはというと、集中せず、物をいじりおしゃべりをしている。

そんなことも気づかず、右往左往する私。

なんと恥ずかしい姿か。

発表する子がいても一切動かない。私の背中が邪魔で上半身を傾けている子どもが窓際に何人もいた。

「見えない。」子どもはその一言すら言えないのだ。

むしろ私がそのような空気を作り出していたのかもしれない。

立ち位置1つをとっても子どもたちに十分に害になるのだ。


3.最も重要な立ち位置はどこか

最も重要な立ち位置。

私は黒板前の中央であると確信している。

ここが一番教師の意志を教室中に届けられるからだ。

一気に子どもの視線が集まる。

均等に子どもたちに声を届けられる。

しかし、いつも地蔵のように動かない教師も少なからずいる。

それはただの傲慢だ。

教師はここにいるべきだと我儘に決めつけている。

この場所は“今から大事な話をする”と覚悟を持って話をする所だと私は考える。

特に教師にとって必要不可欠である発問、指示は必ずここで伝える必要がある。

基本は、である。

子どもたちにも4月に伝える。

「先生がここに来たら、とても大切な話をする時です。」と

子どもたちもそれで、この場はすごく大切な話をするときに来る空間なんだなと認識できる。

教師が覚悟を決め、語る場所。それが“黒板前中央”なのである。


プラットフォームとでも言おうか。

どこにいても“伝えるぞ!”と気概をもてる教員は何人いるだろうか。

子どもたちは先生がどこにいるか、どう動くかを凝視している。

自らの確立した立ち位置を決め、さらに意図を入れながら移動できるスキルをもってほしい。

私も意識し、技術を磨いていく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?