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一リットルのカフェオレ〜水浸し〜

今日の目標:認める

あー…これはもうカフェオレですね笑

そう心の中で独り言を言う自分がいた。

目の前に見えるのは絵の具に使った濁った水。

軽く1リットルはあったカフェオレ色の水が床一面に水浸しになっていた。

診断は降りていないが、発達的に遅れが目立つHくんがやった。

彼は私に向かってこう言った。

「先生、どうやってしまうか忘れちゃったよ〜。」

完全に私を試していた。

彼は去年ものすごい形相で担任に怒鳴られていた。

でも、彼は何をしたらよいかわからずただ怯えていた。

今週は彼のお試し行動が頻繁にある。

その一つが“絵の具の水を満ぱんにして絵の具バックにしまう”であった。

不思議と怒鳴る、叱る、イライラするなど不快な感情は一切湧き起こらなかった。

「なにやってんだーーーー!!!」

「早く片付けろ!!!」

そんな言葉すら出てこなかった。

私は彼を手招きした。

「忘れちゃったか。」

「そうかそうか。」

「忘れちゃうことってあるよな。」

「じゃあもう一度教えるね。」

そう言って、再度しまい方を教えた。

岐阜のある先生の音声CDを先週全て文字起こしし終わったばかり。

その中で先生がおっしゃっていたのを覚えていたからできたことだ。

“怒鳴って直るのなら皆同じ。皆いい子です。”

“もう一度原点に戻る。もう一度教える。何度も何度も。それが教育です。”


この言葉を覚えていなかったら、できなかった。

きっと怒鳴っていた。

優しく穏やかにしてはいけないことを教える。
こうした方がいい行為を教える。

そうしたら

「できたね。」

と認められる。

明日も何かあるのかもしれない。

今日以上のことが起こるかもしれない。

だから何度も何度も振り返る。

教えるとは何かという原点を。

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