比翼の鳥 ⑥ 完

私が受付で騒いでいると
彼が急いで受付まで出てきた
彼は差し出すように首を垂れると
私はそれを切り取った

私たちを中心に悲鳴の花が咲き誇り
彼の血潮は恵みの雨のよう
私はその花で身なりをただし
その雨で髪と唇を染める

彼の帰りを待てなくて
彼とホテルに来たそれは受付を覗きに来た
受付の光景を見てそれはその場に座り込む
彼から出てきたその雨に恍惚の表情をする私を

受付に座り込むそれを見て
私は彼の唇を食いちぎる
もう2度と私以外に奪われないように
もう2度も私以外を愛さないように