硬貨の使い道18 完

旅行の準備を終え、予定を調整した僕は、再びあの教授の元を訪ねていた。
「お久しぶりです教授。出発の予定日が決まりましたので報告に参りました。」
僕はそう話した。すると教授は
「分かった。チケットを手配しておくよ。それと宮部くんに連絡はしたかい?してないならしてあげなさい。」
と答えてくれた。僕は
「お願いします。それと宮部さんには連絡しました。(預かった硬貨を使いに行きます。待っててください。)と。」
と答えると教授は嬉しそうに笑っていた。
「そうかじゃあ気をつけてね。空港で見送りぐらいはさせてもらうよ。」
と言ってくれた。僕は教授に一礼すると質問を投げかけてみた。
「教授一つ伺ってもよろしいですか?教授もインドの硬貨を使ってプロポーズしたとお聞きしましたが、その時の反応はどうでした?」
僕は教授にそう聞くと笑いながら教えてくれた。
「インドの硬貨を封筒に入れて渡したら、その日のうちに1000円札を渡されたよ。(私が欲しけりゃ日本にいろ)って手紙を添えてね。それで私はここにいる。」
それを聞いて僕もなんだか笑みが溢れた。そして教授のもとを後にした。スマホを見ると宮部さんからメールがきてた。
(待ってるね)
と書いてあった。そのままスマホをしまい出発予定日まで待つことにした。

数日後


僕はインドのデリーという場所にある空港に着いた。パスポートを見せ外に出ると懐かしいあの人の姿が見えた。僕は右手に持ったインドの硬貨を見せながら、左手の親指と人差し指で輪っかを作ってみせた。