比翼の鳥 ③

綺麗な花は寒がる私に衣を着せた
醜い花は嫌がる私の衣を脱がした
綺麗な花は動かぬ私の心を支えた
醜い花は認めない私の心を奪った


私を騙したその花弁で私に愛を囁かないで
私を辱めたその葉で私の蜜壺に触れないで
私を突き放したその根で私の身体を縛らないで
私を1度捨てたくせに私の心を動かさないで

一緒に暮らす美しい花は例えるならばフェルメール
私を捨てた醜い花は例えるならば子供の絵
どちらが良い絵かなんて分かっているはずなのに
手に取る回数が多いのは醜く稚拙な子供の絵

美しい花に気づかれた
別の花に心を奪われたこと
美しい花は傷つき去っていった
自分を勧めた友人と共に別れの言葉も残さずに