ある雑貨屋にて8

サラさんは差し出された指輪を見て
「うそ!指輪買ってきたの?何考えてんのいくらしたのよ。」
と言った。私は
「給料3ヶ月分?」
と答えるとサラさんは
「馬鹿真面目に本当にそんな金額の指輪買ってる人初めて会ったよ。でこれ私にくれるの。本当に?」
と言った。そして私は続けて自分の正体を告白した
「実は私、20年後からあなたに会いに来ました。今は信じてもらえないと思います。でもそれでいいとも思ってます。その指輪は20年後にある企業から発売される新作の指輪です。今は世界でこれ一つしかありません。それをあなたへの思いの証明にしたいと思っています。私はこれから20年かけてあなたへの思いを証明します。改めましてサラさん、プロポーズをさせてください。あなたのことを勝手に好きになってもいいですか?」
とても信じられないような内容のプロポーズ。もしかしたら、馬鹿にされてると捉えられそうな内容であることは分かっていた。でも断られる気がしなかった。根拠のない自信があった。今回ばかりはそれが良かったのかもしれない。
「20年も待たなきゃいけないの?私子供とかほしいんだけど?」
とサラさんは言った。少し頬を膨らませながらだった。そして続けて
「ふふふ。まぁ友達からでよければ。」
と笑いながら言った。その答えを受けて、私が歓喜したのは言うまでもない。そしてその勢いのまま私はサラさんの手を取った。
「友達なのに手を繋いで歩くの?」
とリサさんはイタズラな笑みを浮かべながら言った。
「ごめんなさい」
と言い私は急いで手を離した。それを見たリサさんは
「今からそんなで20年も耐えられる?」
と言った。私は
「もちろんです。」
と答え歩きだした。


しばらくすると私のケータイにメールが届いた。
件名:理趣経店主
内容:そろそろ一度戻られてください。でないと・・・