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カメレオン

「そう言えば、すごく仕事ができるように見えるけど、全部誰かの受け売りだって私は気がついてた。それでカメレオンって呼んでたの。」

「で、今回はそいつにやられたってわけね。」

「そう。それも直接じゃなくて、ある同僚に話した内容をその子がそいつに話してたの。」

「じゃあさ、もしかしてその子も自分が考えついたって風に話したかもしれないよね。」

「うん。でもどっちかと言えば私がそう言ってたって伝えた可能性が高いと思う。その子がそんなこと思いつくキャラじゃないことは周りもその子も百も承知だから。」

「それにしても、つくづく卑怯な人間が如何に多いかってことだよね。」

「人のアイディア丸パクリして堂々としてられるってある意味知性がないんだと思う。」

「次に起こり得ることを考えたらそんなこと堂々と出来ない気がするけど。」

「私が何かしたらどうするつもりなんだろう。」

「バレないと思ってるんでしょ。」

「それかバレても誤魔化せると思ってるか。」

「腹立たしい。」

「そして悲しいよ。」

「あのね、気持ちは分かるけど悲しいなんて優しい気持ち持つ必要ないよ、怒って当然。」

「だね。」

「そのカメレオン、いつか絶対ボロを出すよ。それからその同僚もね。」

「取り敢えず距離を置くことにした。」

「新しいネタが欲しくてまた擦り寄って来るんじゃない。」

「その時はリベンジの時かもね。」

「カメレオンの悲劇かな。」

「自分の色は大切にしようね。」

End

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