バベルの塔と歌うたい #7
サーラとヨゼの父親は文字の読める人だった。紗羅がヨゼとともに粘土板の文字と格闘を始めた日、父親は家に帰って来た。紗羅はヨゼが誰か文字を読める人のところに自分達を連れて行ってくれることを期待していたが、父親が帰って来ると状況は一変した。浅黒く日に焼けた彫りの深く整った顔つきをした男性が部屋に入ってくると、母親とヨゼは盛んに彼に訴えかけている。父親らしいその男性は落ち着いているように見えたが、話をするうちに驚きの表情を浮かべ顔が険しくなりやがて紗羅に歩み寄って抱きしめ、何かを話し