好きすぎるものを語る言葉をもてない

いろんな縁がいくつか重なって「駒沢の生活史」というプロジェクトをお手伝いしている。昨日は駒沢の生活史プレゼンツのトークイベントだった。なんと『東京の生活史』の編集担当をされた柴山さんがいらっしゃるというので、これはもうほんとうに楽しみにしていた。柴山さんのお話をこんなにじっくり聞けるなんて最高すぎませんか。だめだ好きすぎるものを語ることばをもてない。柴山さんも、なんでも「おもしろい」って言っちゃう、メール検索したらほとんどのメールに「おもしろい」って書いてある、とおっしゃっていたことだし、ここはこれでおわり、「おもしろかったー!」

記憶が定かでないのだけど、ずっと前に柴山さんは「世の中で埋もれてしまう小さい声をだいじにしたい」みたいなことをおっしゃっていた気がしていて、柴山さんが手がける本はそれを体現しているものが多く胸を打たれる。トークイベントが終わったあとは銀座に向かい、中学の同級生と久しぶりにごはんを食べた。あのころあんな感じだったよね、という昔話のなかに、ところどころに極端に困難な状況にあった子の話が混じる。あのころはほんとうになんにもわかっていなかった。いまでもたぶん、なんにもわかってない。なんにもわかってないしなんにもできやしないこの身で、小さい声をだいじにすることはできるんだろうかと考えている。

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