少しずつ過去に失ったもののほうが多くなっていく

朝活的な会合。新宿高島屋の近くが会場だったがとち狂って代々木から歩けるじゃん、とか思って新宿の手前で電車を降りる。こういう判断をなぜしてしまうのか、自分でも心底わからない。しかも雨が降るのは確実なのに傘を忘れてきて代々木駅前のファミマに傘を買いに寄る。横断歩道のところにどうぶつ模様のかわいい傘をさした老人がいて、おしゃれな人だな、と何気なく思う。老人はわたしの先に立って横断歩道をわたっていった。ファミマで傘と飲食物を買って出てくると、同じ老人がまたわたしの先に立って横断歩道をわたっていった。たいへん気になったが、先を急ぐ身だったのでわたしはそのまま新宿へと歩いていった。彼はあと何回、代々木駅前の横断歩道をわたるのだろう。

踏切をわたって明治通りを新宿へ。母校がすぐ近くにある。数十年の時を経て、わりと見慣れた風景とまったく変わってしまった見知らぬ風景がモザイクをなしていて、懐かしい〜、と、なんだこれ知らん〜、という思いが交互に訪れた。少しずつ過去に失ったもののほうが多くなっていく。

お昼にはだいすきな新宿三丁目の居酒屋、どん底でカレーを食べた。友人の子(1歳)をどん底に連れ込むことに一抹の罪悪感をおぼえたが幼児は終始ご機嫌であった。いないいない、いたー、をやったらノリノリであと100回くらいは繰り返しそうで、15回くらいで飽きてしまうじぶんは飽き性なんだろうか(かわいいし不快ではない、たんに飽きるだけ)。なぜ幼児は繰り返しが好きなんだろう。カレーはとてもおいしかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?