春樹マインドフルネス

「頭の中がカユいんだ」は中島らもの著書のタイトルであるが、まさにそういう感覚が訪れるときが、まあまあある。現実世界も脳内も整理整頓は苦手で、公私ともにタスクが一定量溜まるともうダメだ、頭の中がカユい。すべての情報が脳の表面にはりついてギチギチになり、必要なものをじゅんばんに取り出して吟味していけばいいようなものをギチギチすぎてどれも取り出せなくなっている。わたしの仕事は、いまは大きくインタビューしてそれを記事にする仕事、ある案件に関して情報を整理して格納する仕事の2種類があるが、前者の仕事が激増しているせいか、たまに後者の仕事をしようとするとまっったく脳が働かなくなって昨日はゆうに4時間くらいは机の前に漫然と座っていた。これはめちゃくちゃやべえ、この仕事もうできなくなってるのかも、と冷や汗が出てくる。最終的には寝て起きたらするすると骨組みを組み立てることができて、心底ほっとする。あれ、できるじゃん(別にそんな難しいことをしてるわけではありません)。できないとき、なんであんなにものを考えられなくなるんだろう。毎回こわくなる。

頭の中がカユいとき、鎮めるために、やめておけばいいのに情報を摂取しようとしてしまう。ほんとうにやめておくべきでTwitterあたりはまじで鬱期に突入する。最近は村上春樹の短編集がいいあんばいなことに気づいた。とくに初期の短編、すごい瞑想というかマインドフルネスというか、そういう作用がある。あんなに昔はきらいだったのに、おとなになると変わることもあるね。

柴崎友香さんの「あらゆることは今起こる」を読んで感想を書いた。あなたそろそろ映画評を書きなさいよ、と言ってくれたひとがいて、わたしそういうの執拗におぼえてるタイプなんですが、映画も本も感想は書きたくて書いてるけど、評ってどうすればいいんだろう。

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