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焼パイナップルさえあれば永久機関

最近じりじりとまた太りはじめていて、原因はあきらかで食べすぎているから。生きるのに必要なぶん以上を食べなければ太らないのです。それなのになぜ、シュラスコ食べ放題を予約してしまうのか。

席に座っていると、なんかもじゃもじゃのヘアスタイル(たぶんウィッグ)の男子たちが肉を持って回り、しきりに肉を勧めてくる。勧められたら「はいお願いします」と返事をして肉を受け取らざるを得ない。やめてほしいがそういうシステムなのだから彼らに咎を負わせるのは完全なる筋違いである。しかもテーブルには「食わせろ/もうたくさんだ」とこちらの意思を示すメダルが置いてありそれをひっくり返せばもう誰も勧めてはこない。やめてほしければやめてくれるのだ。でもさ、いちおう肉を全種類、一巡したいじゃないですか。しかも焼パイナップルさえあれば、もう肉の重さは中和されて永久機関じゃないですか。そうしてわたしは生きるのに必要なぶんを大きく超えて肉を食べる。

桜木町のロープウェイは見るたびにダフトパンクみたいだな、と思ってしまう。みなとみらいを借景にぷーぷーいきかうロープウェイは、昭和の近未来というかんじでとてもキュートだ。

駅前は自民党総裁候補が来るというのでごったがえしていた。制服の警官がたくさんいて、警察犬も張り切っておすわりしていて、あの子の役割はなんだろうと気になった。爆薬のにおいなどを嗅ぎつけるのだろうか。メンインブラックみたいな男もさっそうと歩いていて、手に持った黒い薄いビジネスバッグには一体何が入っているのかも気になった。候補はトークがうまいひとらしいので話を聞きたかったが、あまりに混みすぎてきたし、過去の襲撃事件がいくつか頭をよぎって少し怖くなり、聞かずに電車に乗った。

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