穴ぐらのような受付スペース

ここのところ朝起きるとほんのり胃がもたれている。妊娠期をすこし思い出す。毎朝吐き気とともにめざめて家事と育児と仕事をしていたあのころのことは、思い出すのに苦痛をともなう。しかし今胃がもたれているのは理由はもっと軽薄で明快で、毎日毎晩食べすぎているからだ。仙人は霞を食して生きるというが、さいきんわたしも生きていくのに必要な量は自分が思ってるよりずっと少なかったと理解した。しかし毎回楽しくておいしくて食べすぎる。

今日もバイトで無味無臭の催眠ガスをくらっている。先日Twitterで、大学の授業かなんかであんまりみんなが寝るから換気をしたら改善した、おれの授業がつまんないんじゃなくて二酸化炭素濃度のせいだったみたいな話を見かけて、そうだこの地下一階の、とりわけ穴ぐらのような受付スペース、二酸化炭素の吹き溜まりみたいになってんじゃないの?と思い至る。今日の利用者はグレイヘアの男性が13人、会議室にぎゅうぎゅうに入って会議をしていた。2時間のはずが30分、もう30分とどんどんおしていて、さいきんはどんな会議も設定したとおりに終わる、たとえ議論が着地してなくても強制的に終わるのに、このひとたちは平成の会議室だな、となんだか懐かしい感覚に包まれた。

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