2/2 大義じゃないもの

岸政彦『断片的な社会学』最近の自分がぼんやり考えていることを映した本で、新しい発見ばかりではなく、あらためて咀嚼できることに溢れている。インタビューをして、相手と一期一会で、それを統計として介入し直す職業の人の本は、自分を写す、入り込む感覚になる。そして、構成が巧みになっている。一気読みしたのでこれから読み直す。

 この瞬間にこの場所でこの私によって拾われたこの石。そのかけがえのなさと無意味さに、いつまでも震えるほど感動していた。(p.6)

『知らなくていいコト』4話を見た。冒頭に発生するトンネル事故に、若手記者が取材に行きたくない、今の状態で両親に話を聞くことなんて異常だと上司に伝えるシーンがあった。現代で週刊誌モノをやる上で触れなくてはいけないことだ。その通りだ、止めろ、と僕も思ってしまう。でも、彼に対して部長は怒鳴り散らす。とにかくなんでもいいからぶちまけないとやってられない人がいるかもしれない。親の気持ちがお前にはわかるのか、と。まだその言葉を飲み込めてはいない。

今の日本と週刊誌の相性は最悪のような気がするけど、大義を持ったメディアの存在がなくなっては取り返しがつかないこともわかる。

今期はこのドラマしか見ていない。映像も美しい。

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https://diamond.jp/articles/-/227256


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