9/19~25

日曜日
『ブランクスペース』多展開する意外性。最近は最新刊の2,3巻を買うことが増えている、面白いのが多いってことだ。

クセスゴのハインリッヒの扱いが違う。
キャラもの連載、続けていくネタ番組
長井短とねもしゅーラジオドラマが、ありふれたなんドッキリだけど、かましてやったぜイェーイとはしゃぐ二人の様子までがセットになっているならば全然OKだなと思った。

月曜日
ヒグチアイのオンラインサロンメンバー限定のカバー弾き語りライブを渋谷gee-geに見に行く。自分の思考や回りくどさ、日常描写の好みの多くはヒグチアイに影響されていると改めて気づいた今年の夏、勢いで登録したオンラインサロンだけど時間が経つうちに悩み相談やラジオなどのコンテンツをなかなか視聴しなくなっていて退会を考えていたタイミングでこのライブが告知された。
カバー楽曲のリクエスト募集もあったのだけどすっかり忘れていて、先週、野狐禅「カモメ」が聴きたいと慌ててコメントした。高校生の頃三茶のライブでカバーされたのを聴いて以来好きな曲で、一度弾いた曲ならいけるかと思った。
gee-geの階段にはおじさんがたくさんいて、その感じが昔と何一つ変わらなくて懐かしい。当時も圧倒的に自分が最年少だった。このライブは、gee-ge11周年記念をきっかけに開催されたものだと冒頭MCで話される。自分が初めてライブハウスに行ったのがまさにgee-ge2周年記念ライブで、そのときにヒグチアイを見て以来のファン、まる9年も経った。大人になったのだと染み入る。
検索するとその日のライブについて書かれたブログがあって、その日のヒグチアイのセットリストを見ると、自分が初めて聴いたヒグチアイの曲は「ぽたり」だった。

活動歴13年をライブの曲目を考えるときと重ね、どこに山場があったのだろうと振り返るMCから始まったライブは「カモメ」から始まった。

1. カモメ / 野狐禅
2.僕が一番欲しかったもの/ 槙原敬之
3.天体観測/ BUMP OF CHICKEN
4. ドライフラワー/ 優里
5.海を見ていた午後/荒井由実
6. ファイト/中島みゆき
7. mmm (未発表曲) / ヒグチアイ

何度も通った箱、同じシチュエーションで見るヒグチアイに懐かしさを感じつつ、歌声のトーンや伸びは、当時と大きく異なる。だけどその間もずっと聴き続けているから、確実にその延長にいる。
自分の歌詞はついつい溜め込んでしまう。なるべくシンプルなメロディとシンプルな歌詞で伝えるにはどうしたらいいか考えるの話したあとの「海を見ていた午後」が本当によかった、

ソーダ水の中を貨物船が通る
小さなアワも恋のように消えていった

物販で少し話せるのだろうかとやましい気持ちもあった(それが嫌だったと当時を振り返る文章も読んだので、複雑だけど)
うふふvol.1を買って帰った。

この四日間、ほんとうに仕事のことを考えなくて済んだ。二週連続で休日出勤があり、スケジュールに追いかけられたせいできちんと月曜日を始められなかった。
メールも見なかったし、週明けのことも考えなかった。
春日になろう。過去の俺と対話できるように。

火曜日
昨日の夜にGWの日記を更新した。月に一度四月の日記を一週ずつ更新する頻度がアホだな。通勤中に読んだ福島亮太『らせん~』の私小説に関する章に、まさにこれだと思うことがあった。

仕事始めにふさわしいデカめの打合せ、弊社側の意見大半を自分の発言が占めるのが当たり前になっていて、金髪にしたいなあとか考えながら喋った。
イベントバイトをしているとき、4年目でそこそこ動ける状態になってからの金髪は少し嫌な顔をされるくらいで、なんなら嫌いなスーツ現場を振られることもなくなり、結果的にいい思い付きだった。それでも入れる現場数は減って、独立した元社員がやっている地下男性アイドル現場ばかりはいるようになったけど。キツん援助から漏れるフィルターが焼ける匂いと、客の香水と演者の香水が入り乱れた悪臭をもう経験することはないのかと思うと嬉しいような、ちょっと戻りたい気持ちになるような、フワッと過去を意識する扉になっている。
でも、Zepp、COAST、BLITZ、何回も現場で入った箱がもう二度と足を運べない場所になっているのをニュースで知ることは、明確に寂しい。
現在が過去になることを前提で動いた最後の出来事は、20年3月の朝3時に解散した渋谷から夜通し歩いたときだ。あの頃想像した通り、今ならタクシーで帰るから寒空の下歩くことはない。

『オトラクション』ゴールデンSPでやっていた企画が面白かった。カラオケのサビ前にオケが消えて沈黙し、サビの始まりピッタリを目指して歌い始めるゲーム。各番組のMCも参加する中で、サンジャポで太田がサプライズで社長と対戦した。ゲームで肝となるサビ入りの歌詞が「愛は死なない」だった太田と、「僕は悪にでもなる」の光代社長の対比が面白くて。

水曜日
日々の労働。愚痴珈琲館。馬場でラーメン中野飲み。ちっぴー差し。
輪郭の話。鋼の錬金術師のように、魂を肥えらせて扉のうちにいる自分を見るとガリガリなんだ。
街の輪郭が少し残った。気持ち胸につかえて、一緒にいたとき思いだす。
せつないふりをして「いつかの。。」って言える日を待ってるみたい、きっとそうさ。

sakerockがサブスク解禁された。
今これを書きながら会社員を聞いてる。劇画調の駅の階段から魂だけ抜け出して、今目の前にビールが。
今日の仕事は華麗にクリア。老兵から一兵卒に衣替えされた目の前のクライアントが会議で暇そうだぜ。パソコンの前でドラムを叩いてらあ。でもいいもんね。四畳一間の俺の部屋には綺麗なマリンバが待っている、バツの悪い挨拶を締め出したエレベーターが一度開けば、そこには金色のバチを持った会社員が昼の過払金と使い果たせない夜の貯金を一気に引き下ろしアルミの粉を撒き散らしながら東京中を電波障害にしてみせる。全てのサブスクもたちまちブラックアウト、イヤホンを外した人々が小首を傾げて持ち上がったその右耳に、会社員のマリンバが触れると同時に割れるのさ

木曜日
久々の30度越え夏日。部屋でYouTubeを見ながらニョロニョロしていた。記憶に残らない膨大な動画を見て、アングラのカフェ営業を思い出して16時ごろに出かける。店内は自分以外誰もいなくて、スタッフ3人は楽しそうに話している。溜まっていた日記作業を続けつつ、『What if…』の最新話を見た。何かにつながることはない、配信ドラマは公開日を楽しみにするというより気づいたときになんとなく見るくらいの感じで楽しむ。店先では店主が常連と話し込んでいる。
ビール4本をぶら下げて、休みはいいけど何も無いなと思いながら家に帰った。
『あちこちオードリー』アンミカ悩み相談会の四千頭身・後藤「出前を頼んだ時は急いで来いと思っちゃうのに、出前を頼んでない時は出前の自転車邪魔だなって思っちゃうなぁ」がよかった。「凄いことに気づいた後藤くん」というアンミカの返しから始まる空間は、アメリカの小学校みたいで、日本に足りていなかったものはこれかと気づく。
夜に『バナナTV』熱が急にぶり返し、LA編をしばらく見ている途中で、WLUCK「百喜利」初夜の生配信を思い出した。ママタルトに読まれたくて10通くらい送ったけど、応募数が1000をあっという間に超えた。採用されるのはやはりよく聞くラジオネームで、面白い。

金曜日
低気圧の問題がないからか涼しくなったからか、起きたときから猛烈に眠く、家を出て少しすると体が軽くすっきりした気持ちになる。
久しぶりに田中宗一郎『POD LIFE podcast』のMCU回を聴く。
この前ボブが会話のネタに仕掛けた話題がここから来たのだと確認する。21年のMCU作品を批評的な視点でとらえることは全くできなかったのは、それだけ緊急事態宣言下の生活に疲弊していたからだと思う。前面に出た物語と背景にある社会問題のバランスが逆転したことによる弱体化や、バトルシーンが撮れなくても、人間関係を撮れるのであれば監督に起用できてしまうMCUの余裕が招いた若手の青田買いが生む事故(ロキ)などが語られているのがとても面白かった。「ヒーロー無き2020年を超えて」はそうした目線よりもう少し生活と水平な視点からの想像力を源にしていたせいで、こういった会話とは無縁になっていたかもしれないと気づく。

16時頃から今晩の予定を考える。最近思いついた身体の輪郭を取り戻していく感覚に確からしさ感じる。授業が終わり馬場で飯食ってる後輩と合流した。歩きながら、太郎がtinderで見つけた文章を読解した。

「女の子とマッチしたくて頑張ってるけどヤリモクお断りって言ってる子に限って抱いてもらえるだけマシだろって奴おおいな可愛い子の方がやる気満々じゃんその世界観好き」

句読点や括弧のないこの文章はどこで俯瞰する視点になるのか、自分ともう一人が解読した方法が異なっていて、あともう一人にやらせれば3パターンの回答が用意されて占いができるのではないかと盛り上がる。
他にも、最後の晩餐は何がいいか議論に一つ設定を乗せたようなことを話した。
目の前に同じ食事を2つ用意されてどちらかを食べないといけない、片方には一口で致死量の毒が入っているので食べられるのも一口に限定される。
この状況下で、食事を選択できるとして何がいいか。一口というのがポイントなので、ステーキは運ばれてきたときの画と、それを食べ終わったときの充足感が重要だろうから一口勝負には向かないのでは、という説が上がった。そうすると二郎のスープの需要があるのではと思ったのだけど、結局メロンや桃などフルーツが強いと結論に達する。
しかし、ここで一つ浮かんだのは、口に入れた一口を飲み込めずにいる間にも毒は口内に広がって死に至るとして、それを飲み込む勇気は出るのかという問題だ。ただ好きなものを選んだとして、プレッシャーでそれを飲み込めるかは別の問題だろう。そうしたとき新たに出てきた考え方は、自分は最後の一口にこれを選択したというロマンや物語のようなものに身を置く方法だ。それはおそらくコーヒーやウイスキーなど、渋カッコよいに振り分けられるであろう選択肢だろう。

そんなことを話して、真夜中の公園でフリスビーをした。闇に眼がなれることはなく、ほとんど取れないのだけどそれは楽しかった。

土曜
渋谷ユーロスペースでダウ90000の第二回本公演『旅館じゃないんだから』を見た。
90分の長尺物語、とんでもないなと思った。構成がうまいのと、8人いる登場人物全員に必然性があった。

最近になって見るようになった『あざとくて何が悪いの? 』が面白い。ドラマを制作してそれをモニタリングする新しい手法を取り入れているし、恋愛リアリティショーが苦手な自分でも見られる。
『にちようチャップリン』で初めて見たぱーてぃーちゃんが面白かった。先週のしずるのコントもよく、そういえば『ツギクル1GP』の金の国の一本目も最高に面白かった。

その足でコンプソンズ宝保企画『ストレスレベルゼロ』を新宿眼科画廊で見る。すごく面白かったし、ヒステリックな役をやらせたら星野さん以上にいないんじゃないか、いつゴッドタンで見てもおかしくない。

終わったときにえんどうさんに呼ばれて神泉に向かう。お前は相変わらず演劇見に行っててエライな、と言われた「相変わらず」の部分が嬉しかった。渋谷駅まで歩いて、明日も飲もうもんじゃ食べようとなり、二人はU君の家へ、おれは多分酔っぱらっていたからだと思う、自分の家に帰った。

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