見出し画像

「人」についての本。

雪国に長く住んでいると、「秋」というのは雪が降るまでの助走でしかない気がする。ひとつ損したと思うのは、本当は4つあると教えられたからだ。
たとえ、それが無料で提供され利用していないとしても、取り上げられるのは絶対イヤだと騒ぐ。それが「人」だと、図鑑には明記してあることだろう。

その図鑑は、森にある。
森というのは、男が向かうところだ。
寒空に霧を解き放つ森に、少年時代にちぎり取った青空をポケットにこっそり忍ばせて向う。

女はぬいぐるみを探す。
大事にしていた温かい記憶。それをどこに置き忘れたかを永遠に探す。失くしたのか、捨てたのかは憶えていないけど探しまわる。すでに左手に掴んで引きずっているのに、気付かない者もいる。

だから、お爺さんは山へ芝刈りに。
お婆さんは、川へ洗濯にいく。

まぁ、それは、むかぁし、むかしのはなし。

頂いたサポートは、知識の広げるために使わせてもらいます。是非、サポートよろしくお願いします。