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普通が何だか分からないまま過ごす

自分の考えを反芻して、「とてもグロテスクだな」と思うことがある。事細かに今まで頭に浮かんだグロテスクを全部覚えてはいない。というか、大抵の場合そのときだけの思いつきから派生したような考えだから、今回のようにすぐに何かにメモでもしない限りはすぐに忘れていまう。そして、またあるときに似たような感覚をしたときに、「なんだか前にも酷いことを考えたな」というだけのこと。
暑い土曜だった。でかけた先のスターバックスで、ガラス張りの窓から見えるドライブスルーを流れる車とそれを誘導する誘導員のおじさんを視界に入れながら読書をしていた。窓の足下に植木が葉を揺らすくらいには風があるが、とても暑い日。店内は空調で快適。氷入りのドリンク。なんの罪悪感もない。わたしは休日なのだ。

森が燃えたら鳥が大量に死ぬだろうなと思った。
それから、自然の力で大量に死ぬのは何だろうかと考え、想像する。そのときイメージした「自然の力」というのは、火、水、大地、それから葉っぱが揺れているのを見て「風」とも思ったけど特に嫌なイメージが浮かばなかったので、ランク外とした。それなら、暑さのほうがイメージできるなと。
でも結局は火だろう。
海で溺れる魚の群れが日常的にいるように思えなかったし、土に埋まったまま出てこれない昆虫の割合もわからない。でも夕暮れに、一本の街路樹の中に集まる小鳥は知っている。
その大きな木がキャンプファイヤーみたいな火柱となって燃えるところは、すぐに想像できた。その中でしっかりと焼かれる鳥たちは、必死に鳴き声をあげるだろう。でも
最初に感じたのは、「美味しそう」だった。すぐにイメージに焼き鳥屋の店主が現れ、パタパタと扇ぎながら上手に鳥を焼く。タレを塗ると、煙まで美味しそうな匂いがするようだった。
随分、グロテスクにわたしは成長したなと思う。でも、こうしている間も焼き鳥が食べたくて仕方が無い。
外に停めた車の中は、暑いだろうな。

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